沖縄総合事務局は那覇空港滑走路増設事業の環境監視委員会(委員長・土屋誠琉球大名誉教授)を5日、那覇市の県青年会館で開いた。2020年度の事後調査と環境監視調査の結果が報告された。
増設滑走路では、18年度と19年度に環境省の絶滅危惧2類に分類されるコアジサシの繁殖が確認されていたが、20年度は営巣が確認されなかった。
報告書は21年3月に滑走路の供用が開始されたため「繁殖地として利用できなかったと考えられる」との見解をまとめた。
事業実施区域周辺の海草藻場の分布は、夏季は12.1ヘクタール、冬季は11.4ヘクタールと19年度より面積が減少した。閉鎖性海域の一部では、過年度から続く葉枯れや砂の移動による海草の流出や埋没が確認された。
環境監視調査では「工事前の変動範囲内にあるものの、被度の回復がみられないことから、引き続き注視していく」とまとめた。