福井のブランド牛『若狭牛』のふるさと『嶺南牧場』ってどんなとこ?

福井県のブランド牛『若狭牛』。
サシのきめ細やかさ、とろけるような食感と甘み、風味の豊かさが特徴の高品質な牛肉と言われていますが、若狭牛がどのように生まれ育つのか知っていますか?
ここでは、若狭牛のふるさととも言うべき『嶺南牧場』に行ってきたのでレポートします!

若狭牛とは?

「若狭」は旧国名で、現在の福井県南西部(おおよそ嶺南と呼ばれる地域)のことを指します。
そんな「若狭」の名前を冠した『若狭牛』は、福井県が誇る高級ブランド牛です。
系統は、黒毛和種の中でも、松阪牛などと同じ系統の牛になります。

サシのきめ細やかさ、とろけるような食感と甘み、風味の豊かさが特徴。
また、品質規格が厳しく、5段階ある肉質等級の中でも3等級以上でなければ若狭牛として販売することはできません。

贈り物にしたり、特別な時に食べたりするなど、県内でも簡単にはお目にかかることができない若狭牛ですが、若狭町で、若狭牛に会える場所があると聞いてやってきました!

嶺南牧場に行ってきました!

嶺南牧場は福井県(県庁の園芸振興課)に属する施設で、詳しくはあとでご紹介しますが、県内の繁殖農家や酪農家などに受精卵や仔牛を提供するという役割を担っています。
つまり、直接出荷するために若狭牛を育て上げる場所ではないのです。

では、その環境はどのようなものなのかというと…。

広大な自然に囲まれた場所にあります!

放牧地で過ごす牛を至近距離で見られる!

敷地内に入って、牛をモチーフにした橋(多分)をこえると、広大な放牧地で牛がゆったりと過ごしているのを発見!

放牧地はかなりの広さなのですが、餌場が道に近いところにあり、牛たちがちょうどそこまで降りてきていたので、かなり近い距離(フェンスを挟んで1m程度の場所)で見ることができました。
黒毛和種(いわゆる黒毛和牛)というと、凛々しいイメージがあったのですが、おめめがクリっとしていてとってもかわいい!

また、放牧されている牛は全て妊娠しているんだそう。
人間と同様、牛も妊娠中は適度な運動が大切なので放牧されているんだとか。

そしてなんと!迷い込んできたらしい鹿にも出会いました。

ちなみに、道を挟んで向かい側にある牧草地は、冬場雪が積もればソリすべりができるようになるんです!
楽しそうですよね。

やぎ舎でヤギを見る!

放牧地の先にはやぎ舎もありました。

こちらもかなりの至近距離。
牛もかわいかったですが、やぎもかわいいなあ~。

ロールキャンバスで自由にお絵かき!

ヤギ舎の少し先には、ロールキャンバスエリアがあります。
ここでは、牛のエサとなる牧草を包んだロールに、自由にお絵かきをすることができるんです!

牛舎で牛の親子を見る!

そして、いよいよ牛舎に到着!

嶺南牧場には親牛が70頭ほど、仔牛が40~50頭ほどおり、生後2~3ヶ月程度はここで親子一緒に過ごしているそう。

ここは随時見学可能ですが、事前連絡をしておけば、エサやりや牛の手入れ体験ができることも!
今回は牛の見学をしただけでしたが、とにかくかわいくて…。
見るだけでも大満足でした。

そうこうしているうちに、食事を終えた牛たちが、水を飲むために出てきました。

飲んでる飲んでる!

…と、後から仔牛たちも出てきました。

かと思えば、いつもと違う様子を警戒してか、なかなか出てこようとしない仔牛もいました。

お母さん牛同士で舐め合っている牛や…

堂々と座り込んでいる牛や…

おもむろに足を折りたたんだかと思えば、よっこいしょ、と座り込んで「ふぅ~」と一息。人間のようでした(笑)

仔牛にお乳を飲ませている牛など…

過ごし方は千差万別。

あれ?別の牛のお乳を飲んでる??

「子育てにも性格の違いがかなりあって、お乳を飲まれるのを嫌がる母牛もいれば、自分の子供以外の牛にもお乳を飲ませる母牛もいるんです」とご案内してくださった職員さんは言います。

この母牛は、子育て熱心なタイプみたい。

ペロペロ…
『ん?』
『何見てんだよ!』

と言わんばかりの顔でにらまれました(笑)

ごめんね~!!!

同じ牛でも性格はさまざま。
でも、どの牛もかわいくて癒されました。

“若狭牛のふるさと”『嶺南牧場』の役割とは

嶺南牧場は、県内の繁殖農家や酪農家などに受精卵や仔牛を提供するという役割を担っています。
つまり、出荷するために若狭牛を育て上げる場所ではなく、繁殖・増産に力を入れているのです。

そのため、ここにいる牛は研究にも使われるなどしており、出荷される一般的な若狭牛に比べて、比較的長生きできることが多いんだとか。

若狭牛を食べる機会はなかなかありませんが、いただくときはここで出会った牛たちを思い出して、感謝を忘れずにいよう!と思ったのでした。

嶺南牧場の施設情報などは以下でご紹介しています。

© Dearふくい