【日本薬剤師会・山本会長】次期調剤報酬改定に警戒感「コロナ対応と通常改定を分けて議論を」

【2021.07.06配信】日本薬剤師会は7月6日、都道府県会長協議会を開催した。冒頭、会長挨拶した山本信夫氏は、次期調剤報酬改定に関して、現在、コロナ対応として4点が付加されていることを挙げ、次期改定においてはコロナ対応と通常改定を分けての議論が必要との考えを示した。コロナ対応で一定の財源が投じられていることから、財源問題が浮上しかねないとの警戒感を示した格好だ。

山本会長は会長挨拶の中で、コロナワクチン接種に協力している薬剤師の状況を説明した上で、日本薬剤師会としても薬剤師が持つべき知識について、資料をまとめ公表したことを紹介。
「現状で薬剤師ができることに協力していく中で、薬剤師が打ち手として求められるような、そういった時代がくれば」と話し、準備していく重要性を語った。
コロナワクチンに関しては、今後も種類が増える可能性があるため、情報を更新していき体制を整備していくとの考えを示した。

また、骨太方針に関しては、調剤報酬があからさまに問題視されるような表現はなかったとすると同時に、「重複投薬防止やポリファーマシー解消等、薬剤師にしっかり仕事をしろということ」との認識を示した。「骨太に書かれているからといって予算が割かれるかは分からないが、診療報酬改定の時にはフォローしていきたい」とも述べた。

一方、ジェネリック医薬品に関しては、全国で使用率80%を目指すことになったことに関して、「モノが供給されないという事態も起きている中で、相変わらず使用を進めろということで、具体的にどうしていくか議論している」と説明した。

併せて、薬剤師が将来的に過剰になるとの需給推計をまとめた「薬剤師の養成及び資質向上等に関する検討会」のとりまとめに関しては、「薬剤師の業務がどの程度拡大できるか議論されてきたと認識している」とする一方、「後輩たちが仕事がなくなることがないよう、どの程度の供給が適切なのかを教える側も含めて認識してほしい」と話した。

一方、次期調剤報酬改定については、現在、コロナ対応で調剤報酬の基本料に4点が付加されていることに触れ、「(4点付加期間を)1年丸々伸ばすと320億円の財源が必要であり、この分をどこからもってくるのかという問題もある」とし、「(4点は)コロナ対応なので基本の改定とは別という立場で議論していく」との考えを示した。

© 株式会社ドラビズon-line