「海街diary」が最優秀作品賞 日本アカデミー賞授賞式に4姉妹登場

 日本映画の祭典「第39回日本アカデミー賞」の授賞式が3日、東京・品川のホテルで開かれた。最優秀作品賞は北鎌倉で暮らす4姉妹を描いた「海街diary」が獲得。メガホンを取った是枝裕和監督(53)は最優秀監督賞もつかんだ。

 是枝監督は「すてきな4人の女優さんから、どれだけ新しい魅力を引き出せるかを考えていた。監督を評価していただけたこともうれしいし、何より4人全員呼んでいただけたことに感謝をしています」と喜んだ。

 長女を演じた綾瀬はるか(30)は主演女優賞。次女の長澤まさみ(28)と三女の夏帆(24)は助演女優賞、末っ子の広瀬すず(17)は新人俳優賞。ほか、最優秀撮影賞、同・照明賞にも選ばれた。◆ 最優秀主演男優賞は、「母と暮せば」で、長崎に投下された原爆で命を落とした医大生に扮(ふん)した二宮和也(32)に。二宮は昨年、ジャニーズ事務所の先輩・岡田准一(35)が「永遠の0」で同賞を獲得するところをテレビで見ていたと語り、「うれしいと思って飲みながら見ていたら、悔しくなってオレも欲しいと思っていた」と吐露。「(岡田の受賞後)岡田くんに会って、『次はお前だから』と言われたけど、そのときはここに立つと思っていなかった。(きょうの受賞後に岡田から)、『頑張れよ』と言われて『はい』と言いました。賞をいただくことがゴールではないし、ここからが始まり」と気を引き締めていた。

 最優秀主演女優賞は、「百円の恋」で、ボクサーとの出会いと別れをきっかけに、ボクサーを目指す主人公を演じた安藤サクラ(30)に。プレゼンターの岡田から、安藤の名が読み上げられると、共演した新井浩文(37)らと、「わっ!!」と歓声を上げて飛び上がった。2週間をかけた撮影中に、約10日の短期間で減量する〝女優魂〟でつかんだ栄誉だが、「状況がつかめない」とオロオロ。「新井君から(受賞は)『絶対ないと思う。もしサクラちゃんが最優秀って言われたら、うち泣いちゃう。おもらししちゃうかも』と言われたけど、泣いてもなかったし、もらしてもなかったと思う」と話し、周囲を笑わせた。◆ 神奈川県勢は、1890年に起きた軍艦エルトゥールル号の海難事故を基にした「海難1890」で医師を演じた内野聖陽(47)が主演男優賞。「母と暮せば」で教師役を務めた浅野忠信(42)が助演男優賞。中学校内で起きた死亡事故の真相を暴こうと、生徒が校内裁判を開く「ソロモンの偽証 前篇・事件」「同 後篇・裁判」で映画初主演した藤野涼子(16)が新人俳優賞を手にした。

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