こんなに違う!? オートキャンプとツーリングキャンプのギア選びと積載を紹介

みなさんがキャンプにいく手段は車ですか?バイクですか?それとも公共交通機関? 自転車でのキャンプから始まって40年。僕のキャンプは年とともにバイク、車と様変わりしてきました。同じキャンプなのにまったく違った趣があるからどれもやめられません。今回は、オートキャンプとツーリングキャンプのギアの違いについてお話していこうと思います。キャンプスタイルごとのギア選びの基準について考えるきっかけになれば幸いです。

同じキャンプでもギアの選び方はこんなにも違う あなたはギアをどう選ぶ?

僕は小中学生の頃、自転車にテントをくくりつけて近所の河川敷で友達とよくキャンプをしていました。キャンプと言ってもただ夜釣りをしながら寝泊まりするだけだったのですが、なぜか親が入れ替わり立ち替わりテントに遊びに来て、鬱陶しいと思ったものです。今思えば皆の親が僕たちを見守っていてくれていたんだな~と、親のありがたみを感じます。

自転車から始まって40年、僕のキャンプは年とともにバイク、車と様変わりしてきました。

家族とのオートキャンプ、バイクやカヤックでのツーリングキャンプ、同じキャンプなのに全く違った趣があるからどれもやめられません

筆者撮影

オートキャンプは車で行くので荷物をたくさん積むことができますが、バイクやカヤックでのキャンプの場合積載量は限られますし、雨や露、水しぶきで荷物がずぶ濡れになってしまうことも。

オートキャンプで使っているギアが揃っているからといって、いざそれを持って「ツーリングキャンプに行こう!」と思っても、まともなキャンプをするのは難しいでしょう。

それほどオートキャンプとツーリングキャンプのギアには違いがあるのです。

今回はオートキャンプとツーリングキャンプのキャンプギアの違いについて、実際に僕のギアをお見せしながらご紹介していこうと思います。

オートキャンプとツーリングキャンプはそもそもこんなに違う!

ここからは、オートキャンプとツーリングキャンプの違いについて紹介していきます。

車とバイクは"目的"が違う

車とバイク、この2種類の乗り物は僕にとっては全く別の乗り物だと思っています。車は手段でバイクは目的であると思っているからです。

家からキャンプ場まで快適に移動する。もちろん目的はキャンプ。これは移動の『手段』として車があるという考え方です。キャンプ場には早めに到着し、設営。家族や仲間と楽しい時を過ごしキャンプ飯に舌鼓。

一方バイクは、移動そのものが目的です。カフェ、観光地やキャンプはバイクに乗る口実であることが多いと僕は思っています。

こうなると、キャンプ場での過ごし方にもおのずと違いが出てきます。

オートキャンプではより快適に、より楽しく過ごすためにたくさんのキャンプギアを揃えますが、ツーリングキャンプは走ることが目的なので、キャンプは翌日走るための中継地点。走りの邪魔にならないように、より軽く、できるだけコンパクトに収納できる厳選したキャンプギアを最小限揃えます

ツーリングキャンプでは、翌日疲れが残らない程度のキャンプができればそれでよいのです(それが一番難しいのですが、、、)。

オートキャンプとツーリングキャンプ 積載量の違いが最大の違い

筆者撮影

車は荷物がたくさん積めるので、昔では考えられない様な贅沢で快適な環境を作ることができますし、魅力的なギアもたくさん販売されています。

雪が降るような真冬のキャンプでも、薪ストーブをテントに入れて、家よりも豪華で快適な空間を作ることだってできるのです。

筆者インスタグラムより画像参照:https://www.instagram.com/p/B7j3KQJB7ck/
筆者インスタグラムより画像参照:https://www.instagram.com/p/B7j3KQJB7ck/

一方、バイクに積める荷物には限りがあります。限りある空間の中でいかに効率よく荷物を積むかが重要になるのですが、同時に、より軽量でよりコンパクトなギアを厳選する技術も必要になります。

オートキャンプとツーリングキャンプのサイトの違い

筆者撮影

この写真はオートキャンプサイトを再現したものです。

テントは4人用のドーム型。タープは6mのヘキサを小川張りに。椅子は4脚で、テーブルと焚き火台、2バーナーと言う、4人キャンプを想定したスタイルです。

テントの中にはコット、マット、寝袋があり、これだけのサイトを設営できれば家族4人が快適に過ごすことができます。

筆者撮影

一方こちらの写真はツーリングキャンプを再現したものです。

テントは2人用で前室のあるドーム型。今回は張っていないのですが、タープは5mのレクタ、椅子、テーブル、焚き火台、バーナーとコッヘルセット、テントの中にはコット、マット、寝袋と、先ほどのオートキャンプで使用したギアと同等のものをセットしてみました

ソロキャンプでここまでのギアを揃えれば、かなり快適に過ごすことができると思います。

筆者撮影

実際に設営してみると、これだけ占有面積に違いがあります

これにバイクと車がそれぞれプラスされるのですが、ツーリングキャンプがいかにミニマムかわかると思います

オートキャンプとツーリングキャンプの荷物の違い

それでは、ここまでご紹介してきたキャンプギアをまとめて並べてみましょう。

筆者撮影 左:ツーリングキャンプ用ギア 右:オートキャンプ用ギア

こんなに違うんです。

左側にまとまっているのがツーリングキャンプ用に設営していたキャンプギア、右がオートキャンプ用に設営していたキャンプギアです。
※オートキャンプのギアには寝袋・コット・マットが1組しかありませんので、ここにさらにあと3セット必要になります!

焚き火台やトライポット、椅子、テーブル、コットなど、ほぼ同じ用途のものを用意していても、この違いです。

この荷物の量を見れば、ツーリングキャンプがいかに小型軽量で厳選されたギアを使っているかわかると思います

オートキャンプとツーリングキャンプ ギアの選び方の違い

ツーリングキャンプでは、軽量・コンパクトで収納性が高いギアを選ぶのが絶対条件です。

ここでは実際にどれくらい違うのかを見てみましょう。

筆者撮影 左:ツーリングテント 右:オートキャンプで使用するテント

写真左が2人用のツーリングテントで、右がオートキャンプ用の4人用です。ツーリングテントは重量もサイズも1/3程で、より小さくなるように収納袋が増し締めできるようになっています。

この『コールマン』のツーリングテントは、雨の日でもインナーを濡らすことなく設営できるように、初めからアウターにインナーがセットされていて、骨を3本通して立ち上げれば完成する優れものです。

また狭いですが前室があるので、雨の日に前室で調理もでき、ライティングシューズを濡らすことなく就寝できます。テントとタープが一体化したようなもので、より荷物を少なくすることも可能。ただ、後ろ側に風抜きがないので結構熱がこもり暑いのが難点です。

インナーテントを濡らさないと言うのは快適に就寝する上で非常に重要なのです。

筆者撮影

カーキ色の椅子はオートキャンプで使用している『クイックキャンプ』のもの、黒に青のラインがツーリングキャンプ用の椅子です。

ご覧の通り、やはりツーリングキャンプで使うギアはいかに軽量でコンパクトになるかを基本に選んでいます。重さも大きさも一目瞭然で違いますよね。

ツーリングキャンプでこのようなしっかりとした椅子を持って行くようになったのはごく最近のことで、以前は折りたたみ式のクッションのようなものを使っていました。

キャンプギアも日進月歩、どんどん良いものが出てきてきりがありません。

筆者撮影

こちらはコットですが、茶色の『アルパイン』のコットは20年以上前から使っています。黒いローコットは『MECHHRE』のツーリングキャンプ用です。

長いものは特にバイクには積めないので、コンパクトに収納できる必要があります。椅子を持たずにコットに座って過ごすこともあります。

高さは違えど、大きさはほぼ同じ。にも関わらず、ツーリングキャンプ用のコットはオートキャンプ用の1/10程度の重さしかありません。

筆者撮影

おそらくこれが最もサイズが違うと思います。

左はツーリングキャンプ用と言うより、カヤックでも出張でもどこにでも持ってゆく『プリムス』の『P153』とコッヘルのセットで、右側は『コールマン』の2バーナーです。

どちらも煮炊きするコンロですが、ここまでサイズが違ってもできることは同じです
※CB缶はホワイトガソリン仕様のコンロと比べ、あまり寒いと火力が持続しないという欠点がありますが、そこまで寒くなったらツーリングもしたくないですね~。

筆者撮影

こちらの写真はランタンですが、左はツーリングキャンプに持っていくバッテリー式のLEDランタン。右はオートキャンプで使用するホワイトガソリンのコールマンの1バーナーと2バーナー、灯油のペトロマックス『HK500』です。

ツーリング用に使用しているランタンは、モバイルバッテリーにもなるので、スマホなどの充電もできます。明るさは無段階調整で、電球色と蛍光灯色が使えます。

小さなテント内では火を焚くわけにも行かないですし、一人ならこのランタンで十分です。

オートキャンプでは、サイトを広く取りますので、光量の大きいランタンが欲しくなります。1バーナーはテーブルを照らす用で、すりガラスになっているので光が目に直接入ってこないのでまぶしくありません。2バーナーの方は一番明るいので、そちらへ虫を寄せるために少し遠くに設置しておきます。

筆者撮影

左側はツーリングキャンプで使用している焚き火台で、左はオートキャンプで使用している『ユニフレーム』の焚き火台です。

焚き火は服が臭くなるので僕がツーリングキャンプで使用することは少ないですが、明かりと暖がとれるので一石二鳥です。

折りたたむと小さな筒状になるのですが、広げればユニフレームの焚き火台とサイズは同じ、高さは高いくらいです。これだけ高さがあると熱で芝を焼くことはありません。

オートキャンプでは、焚き火台にダッチオーブンを乗せて調理をするのでヘビーロストルをセットしていますが、ツーリングキャンプ用の焚き火台にはそこまで強度はありません。

コンパクトに収納できることが最重要なので、とにかくサイズ重視です。

【ミニコラム】キャンプが得意なバイク 不得意なバイク

ここからは、僕が所有しているバイクをご紹介しながら、"キャンプが得意なバイク"と"キャンプが不得意なバイク"について解説していきます

オートキャンプ場でよく見かけるのはSUVやワンボックス、ミニバン、ステーションワゴンです。

オープンカーやスポーツカーでは荷物をたくさん積むことができませんので、どちらかと言えばキャンプに行くのは不向きな車です。

荷物の積載量の違いは、バイクの場合特に顕著に現れます

筆者撮影

これは僕が20年前から所有している「アメリカン」や「ツアラー」と呼ばれるバイクです。これで四国や北海道、九州など妻とタンデムしながらキャンプして回りました。

サイドバックとトランクに先ほどご紹介したキャンプギアが全て収納できるので、キャンプには最適なバイクです。

着替えや食料など他の荷物はタンデムシートやサイドバックにくくり付けるのですが、雨や露で濡れないように、いつも防水バックに入れていました。ツーリングキャンプで荷物を濡れないようにするのは非常に大事なことです。

筆者撮影

これは近所の峠道で遊んでいる「ネイキッド」と呼ばれるバイクですが、峠道をヒラヒラと走るとこの上なく楽しいバイクです。しかし、平坦な道を淡々と走るのは、エンジンの特性とギア比、ライディング姿勢が原因で非常に辛いバイクでもあります。

荷物は後ろのバッグだけですので、ちょっとしたお土産や着替えが入れられるくらいで、キャンプギアを積むことはできません。

筆者撮影

これは林道やエンデューロと言われるレース専用車で「トレール」や「オフロード」と呼ばれるバイク。未舗装の林道やレース場では頼もしいバイクです。

一見キャンプ場に似合いそうですが、レース車両にナンバーを着けただけのようなバイクなので、振動が激しく高速走行が厳しく長距離移動にはきついバイクです。またガソリンタンクの容量が少なく燃費も悪く、常にガソリンスタンドを意識しながら走らなければなりません。

荷物を積むことはまったく考えてないのでリュックを背負わないと何も積めず、2ストなので臭いしうるさいしで普段の足として使うのもはばかられるバイクです。

ただ、林道やコースに出ると弾ける様に走り刺激的なのでなかなか手放せません。

ツアラー、ネイキッド、オフロードと、僕はシュチエーションによって乗り分けていますが、バイクには各々得意とするフィールドや使われ方があります。ツーリングキャンプをするなら長距離を走っても疲労が少なく、航続距離が長く、積載能力の高いバイクを選びましょう

昨今は「アドベンチャー」と言う、街中でも少々の荒れた道でも走れて、荷物が積めるタイプのバイクが流行っています。その様なバイクを選べばオールラウンドに使うことができるでしょう。バイク界のSUVですね~。

オートキャンプとツーリングキャンプにはどちらも違った楽しみが! ギア選びは工夫しよう

同じキャンプでも、ツーリングキャンプとオートキャンプのギアでは全く違うということおわかりいただけたでしょうか?

オートキャンプは家族や友達とキャンプを楽しむことが目的で、車は移動手段。ツーリングキャンプはバイクで走ることが目的で、キャンプはより遠くへ行くための手段。

キャンプが目的か手段かで、その趣は大きく変わってきます。

各々に楽しさがありますが、ただひとつだけどちらにも共通点があります。それは、非日常を楽しむこと

皆さんも、色んなスタイルでアウトドアを楽しんでみませんか?

▼こちらの記事もチェック▼

© ハピキャン