長崎県初の「国民文化祭」 14日内定へ 2025年度開催予定、芸文祭も

 国内最大の文化の祭典で、天皇皇后両陛下が出席される国民文化祭(国文祭)と、全国障害者芸術・文化祭(芸文祭)の2025年度開催予定地に長崎県が選出される見通しであることが6日、分かった。中村法道知事が上京し14日、都倉俊一文化庁長官から内定書を受け取る。本県以外に立候補地はなかった。実現すれば本県では初の開催となる。
 国文祭は天皇陛下が皇太子時代から出席している式典で、国民体育大会(国体)や全国植樹祭、全国豊かな海づくり大会と並んで「四大行幸啓(ぎょうこうけい)」と呼ばれている。本県は国文祭以外の3大会は過去に実施している。
 国文祭は国と開催地の自治体などが主催し、1986年度から各都道府県持ち回りで開いている。伝統芸能、文学、音楽、美術などの芸術分野や、食など生活文化に関わる活動を全国規模で発表、交流する。
 芸文祭は障害者が芸術、文化活動への参加を通じて生活を豊かにするとともに、障害に対する国民の理解と認識を深め、障害者の自立や社会参加を促進しようと2001年度から開催。17年度から国文祭と一体的に実施している。
 昨年7月、中村知事と県内21市町の首長が「スクラムミーティング」で誘致に乗り出すことを確認。県文化団体協議会も9月、誘致を求める要望書を県に提出していた。中村知事は県議会9月定例会で誘致を表明、県は10月、同庁に要望書を提出し25年開催の意向を伝えていた。
 県によると、国文祭、芸文祭の開催期間は25年10~12月の3カ月の予定。参加者200万人規模を想定している。期間中は▽合唱やオーケストラ、邦楽、太鼓、かるたなど文化事業の全国大会▽「長崎しまの芸術祭」「島原城薪能」など地域の特色あるプログラムの発表▽長崎の偉人や平和、障害者芸術をテーマにしたシンポジウム▽マダム・バタフライを題材にした国際交流事業-などの案が上がっている。
 25年は被爆80年、県美術館・長崎歴史文化博物館開館20周年、日韓国交正常化60周年などに当たる。こうした節目の年に国文祭を開くことは文化芸術の振興にとどまらず、平和の発信、国際交流の推進の点からも大きな契機となりそうだ。

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