「グループ力生かし企業支援」 西日本FH社長に就任 村上英之氏 

「グループ力を生かしニーズに応える」と話す村上社長=福岡市博多区、西日本シティ銀本店別館

 長崎銀行(長崎市)や西日本シティ銀行(福岡市)を傘下に置く西日本フィナンシャルホールディングス(FH、福岡市)の社長に村上英之氏(60)が6月29日付で就任した。グループ力を生かし、本県の企業を支援し経済活性化に貢献する意欲を示した。

 -長崎県内でのシェア向上にどう取り組むか。
 圧倒的なシェアを持つ十八親和銀行に対抗するのはそう簡単ではないが、県内金融システムにおける競争環境を維持するため、長崎銀と西日本シティ銀は最大限できる努力をする。事業者には「できれば複数(の金融機関と)取引をしたい」とのニーズが絶対にあり、皆さんとリレーションを構築していく中でも十分に感じてきた。圧倒的銀行の次にある存在として、しっかり営業をしていかなければとの思いを強くしている。グループの力を生かして丁寧に応え、サービスを提供し、信頼を得ていく。

 -長崎銀は4月に法人営業体制を強化し、30億円の増資も実施した。
 長崎銀の事業性融資は昨年度141億円増え、件数では3分の1程度が新規取引先だった。新型コロナウイルス関連の緊急資金繰り支援でも相当の融資が実行できた。人員や資本の増強は今後も事業性融資を中心としたニーズに対応していくための備え。お客さまとの接点を強化し、実態を聞きながら支援することが重要であり、必要な体制は整えたつもりだ。

 -本県の経済活性化へ協力できることは。
 私たちの強みの一つは総合金融力で、いろんなノウハウ、情報、ルートを持っている。九州の一大産業、商業の集積地である福岡に一定の基盤があり、マーケットを紹介できる。福岡の活力を生かさない手はない。長崎県の企業にさまざまな提案をし、利用してもらえるよう連携を強化していけたらいい。

 -西日本FHとして挑戦したい分野は。
 (今年11月にも)銀行の業務範囲規制が一部緩和される。総合金融力を発揮したい私たちにとっては歓迎すべき動きだ。グループの収益強化や取引先支援につながるかどうかを考えながら、いろんな分野(への参入)を検討する。人材派遣業は一つの関心事項だ。

 -10月に西日本FH発足5年になる。
 グループ各社が営業努力をし成長してきたと感じる。今後も法律の改正や世の中の変化などをしっかり見定めながら、各社の機能や基盤の拡充に取り組みたい。

 【略歴】むらかみ・ひでゆき 九州大経卒。83年西日本相互銀行(現西日本シティ銀行)入行。西日本シティ銀取締役常務執行役員、西日本FH取締役執行役員などを経て今年6月から現職。西日本シティ銀頭取も兼任する。大分県出身。

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