組織2分割デバイス

報道関係各位

世界初・テーラーメード(個別化)医療時代の需要に応える組織分割治具 «組織二分割デバイス» 販売開始 ~生検組織を糸状に縦に分割し「病理」検査と「遺伝子」検査とを同一サンプルから可能にする~

医療、理工学分野における手術機器・検査機器などの設計から製造・販売まで手がける株式会社ウミヒラ(本社:京都府京都市南区久世殿城町126、代表取締役:海平富男) は京都府立医科大学との共同研究により、世界で初めて、針生検で採取した組織を糸状に縦に二分割できる«組織二分割デバイス»の開発に成功し、令和35月から販売開始いたします。

«組織二分割デバイス»の有用性

現在、遺伝子検査の重要性が増しています。遺伝子には「DNA二本鎖の遺伝情報で安定)」と「RNA絶えず生産・蛋白生成に使用・分解が繰り返され不安定)」があり、RNAは不安定であるため、組織採取後すぐに-80℃で凍結保存し、検査時に解凍して使用する必要があります。本治具は、針生検組織1本からDNAはもちろんRNAと病理検査を同時に可能にし、しかも、空間的に同一のサンプルから、これらの検査を同時に可能にした点で、「これまでの不可能」を可能にした画期的な治具です。本治具はゲノム医療の汎用化・質の向上に大きく貢献することが期待されます。

パラフィン包埋

ミクロトームによる薄切り

組織二分割デバイスがオーダーメイド医療を汎用化させる

«組織二分割デバイス»開発背景

病理検査と遺伝子検査では、採取した組織の処理ステップが全く異なるため、両方を共用することはできません。すなわち病理検査では、採取した組織をホルマリンで固定し、パラフィンに包埋し、染色して使用します。一方、遺伝子検査、特にRNA検査では、組織採取後すぐに-80℃で凍結保存し、検査時に解凍して使用します。したがって両方の検査を実施するには同じ組織が二つ必要となりますが、同一部位から同一組織を複数個採取することは技術的に不可能です。一方、針生検で採取した細長い糸状の組織を縦に二分割できれば、分割された二つの組織は空間的に対応しており同一組織と見なすことができますが、こうした治具は開発されておりませんでした。そこで㈱ウミヒラと京都府立医科大学泌尿器科学教室は、直径0.8mm 程度の糸状組織を生のままベッドサイドで医療従事者が簡単且つ高精度に分割できる治具の開発に取組みました。先ず高精度で二分割できるデバイスモデルを、3Dプリンタを使用して繰り返し試作して完成させ、それをもとに射出成形による生産技術を確立し、販売開始に至りました。

«組織二分割デバイス»の知的財産権およびAMEDによる支援

組織二分割デバイスは、京都府立医科大学泌尿器科学教室のニーズを受けて、株式会社ウミヒラと京都府立医科大学泌尿器科学教室が基本構造を発明し、両者の共願で国際特許出願を行いました。現時点で日本国内の特許は登録され(特許第6417495)、アメリカ、ヨーロッパ、中国は審査中です。

なお組織二分割デバイスの開発は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の平成30年度医工連携事業化推進事業に採択され、平成3011月から令和33月の間、研究開発支援をいただきました。

«組織二分割デバイス»製品の概要

収納時の外観

開放時の外観

«組織二分割デバイス»の使い方

研究担当者

教授 浮村 理

https://kpum-urology.com/