チェコスロバキアの鬼才アニメーション作家シュヴァンクマイエルが3年の歳月を注いで完成させた初の長編映画「アリス」のBlu-rayとDVDが、10月6日に復刻発売されることが決まった。Blu-rayにはチェコ語版に加えて、初めて英語版音声が収録される。
「アリス」は、ルイス・キャロルの「不思議の国のアリス」を元に、実写とストップモーション・アニメを組み合わせて作られた作品。チェコスロバキアの鬼才アニメーション作家シュヴァンクマイエルが3年の歳月を注いで完成させた初の長編映画で、1988年のベルリン映画祭でプレミア上映後、1989年には日本でも劇場公開された。いかがわしくもユーモラスな表現、グロテスクだがどこか愛らしいキャラクターたちなど、シュヴァンクマイエル独特の映像が見る者を不思議な迷宮世界へといざなう。
チェコに現存していたオリジナルフィルムを基にHDマスター製作が行われ、汚れや傷などを全面的に修復。Blu-rayにはオリジナルのチェコ語版に加えて英語版の音声を収録した。特典映像としてシュヴァンクマイエル監督による絵コンテを収録し、封入特典には3種類のポストカードが用意されている。価格はBlu-rayが5,170円（税込）、DVDが4,180円（税込）。
ヤン・シュヴァンクマイエルは、1934年にチェコスロバキア（現在のチェコ共和国）のプラハに生まれた、シュルレアリストの芸術家、アニメーション作家、映像作家、映画監督。共産党政権下でブラックリストに載りながらも創作活動を続けた。、2010年の国際アニメーション協会のアンケートで、世界短編アニメーション史上No.1の作品に選ばれた「対話の可能性」（1982）など、多くの映像作品を残している。また、コラージュ、オブジェ、ドローイングなど、幅広い領域で創作活動を行った。
【作品情報】
アリス
©CONDOR FEATURES. Zurich／Switzerland. 1988
