東京で〝不人気〟露呈の吉村大阪府知事 まん防延長は選挙で「ドヤ顔」したいだけ

会見する吉村府知事

まん防延長要請の背後に見え隠れする思惑とは――。大阪府の吉村洋文知事(46)が7日、大阪府庁で定例会見を開催した。会見に先立ち行われた府の新型コロナ対策本部会議では、11日に期限が迫ったまん延防止等重点措置への対応が話し合われ、政府に期限を延長するよう要請した。

吉村氏は、新規の感染状況が増加傾向にあり、再拡大の予兆がみられると指摘。繁華街では第4波が始まった3月と同程度の人流があり、ウイルスがより感染力の強いデルタ株に置き換わり始めていることから、「感染再拡大の条件が整っている」として、「7月末までに高齢者のワクチン接種がおおむね完了する。この間に大きな感染の山をつくらないことが重要」と現状維持の必要性を訴えた。

まん防維持を強調する一方で、飲食店での酒類提供条件を原則1グループ2人以下から4人以下に緩和する“矛盾”も。府政関係者は「衆院選に向けたアピールですよ」と指摘する。

「第5波が必ず来るのは分かっている。政府決定前にまん防の延長をアピールすれば『我々が政府に要請して感染拡大を食い止めた』と選挙でドヤ顔アピールできるし、もし政府が大阪を除外したら『政府が認めなかった』と第5波で被害が増えても政府に責任転嫁できる。どちらに転んでも維新は損しないんですよ」

次期衆院選が秋に迫る中、前哨戦に位置付けられた東京都議選では吉村氏も東京に乗り込んで応援したが、獲得は1議席にとどまった。「定数8の世田谷区選挙区で取れなかったですからね。吉村人気は大阪限定ということが露呈した。都構想も負け、コロナを政局利用するくらいしか手がないんでしょう」(同)

政府は当初、首都圏4都県への延長を検討していたが、最終的に東京に緊急事態宣言を発令、埼玉、千葉、神奈川の3県と大阪へのまん防延長の方針を固めた。

選挙カーの上から「大阪のことは大阪で決めさせてください!」と絶叫する吉村氏の姿が見られそうだ。

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