京阪電鉄、過去最大の減便 終電も最大20分繰り上げ、9月25日から

京阪電鉄本社(大阪市)

 京阪電気鉄道は7月8日、新型コロナウイルス禍に伴う旅客輸送の減少を受けて、京阪本線(三条―淀屋橋)と鴨東線(出町柳―三条)、宇治線(中書島-宇治)、中之島線、交野線の1日あたりの運行本数を、平日で15%、土日・祝日は20%それぞれ削減するダイヤ改正を発表した。9月25日から実施する。

 同社によると、運行本数の削減幅は過去最大。コロナ禍前と比べて利用者が4割少なくなった昼間時間帯を中心に減便する。車内の密集状態を避けるため、有料の座席指定車両を充実させる方針だ。

 終電は、最大20分程度繰り上げる。平日の出町柳発淀行きは、従来より13分前倒しして午前0時6分に、中書島発宇治行きは21分早めて午後11時58分とする。

 大津市の石山坂本線(坂本比叡山口-石山寺)でも、昼間帯に一部の運行を取りやめる。同線では、沿線の中学・高校の長期休暇中に通学時間帯の列車を間引く「学休期ダイヤ」も今冬から導入する。1時間に1、2本程度減る見通し。

 コロナ禍で浸透したテレワークやインバウンド(訪日外国人)の急減で、鉄道各社の収益は悪化し、関西でも運行本数を大きく削減する動きが相次ぐ。JR西日本も在来線などの運行を縮小するダイヤ改正を近く発表する予定。業界では旅客輸送の需要がコロナ前の水準に戻らないとする見方も多く、ニューノーマル(新常態)の運行ダイヤが広がる可能性がある。

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