【熱海土石流】小田原市内の大規模盛り土「問題なし」 市緊急点検、問題の業者の造成はなし

小田原市役所

 静岡県熱海市伊豆山の大規模土石流を受け、小田原市の守屋輝彦市長は8日の定例会見で、市内の大規模盛り土造成地35カ所の緊急点検を行い、経年劣化による亀裂などの問題がないことを確認したと発表した。開発登録簿によると、伊豆山の土石流の起点で盛り土を行った同市の不動産管理会社(清算)が造成したケースはなかった。

 市は土石流の発生を受け、5日から目視による点検に着手。3千平方メートル以上にわたり谷や沢を埋めたり、20度以上の傾斜地に5メートル以上の盛り土を行ったりした大規模造成地を対象に調査し、いずれも現状に問題がないことを確認したという。

 守屋市長は「過去の工事が適切に行われたか現時点で検証することは難しい。経年劣化で地滑りが起きることもあり、定期的な経過観察によって住民の不安を払拭(ふっしょく)していくしかない」と説明した。

 同市の登録簿では同社は2007、08年に市内2件で宅地建設のための開発許可を受けている。

 土石流を巡っては、同市内の業者が盛り土に産業廃棄物を混ぜるなどして静岡県や熱海市から再三、行政指導を受けていることが分かっている。

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