展覧会「川口起美雄—I’ll be your mirror」開催(美術館・図書館)

武蔵野美術大学 美術館・図書館

武蔵野美術大学 美術館・図書館では、展覧会「川口起美雄—I’ll be your mirror」を開催いたします。

| 概要 |

川口起美雄は1951年に長崎市に生まれました。1974年にオーストリアへ渡り、国立ウィーン応用美術大学に留学。ウィーン派の巨匠ウォルフガング・フッター教授の下でブリューゲルを中心に北方ルネサンスの混合技法を習得し、技法研究の研鑽を積みます。帰国後、青木画廊や彩鳳堂画廊を中心に個展を開催し、数多くの展覧会へ出展しています。また、1985年には文化庁在外研修員としてイタリアに渡り、フィレンツェ市文化財修復監督機関(ウフィツィ美術館修復室)において、フラ・アンジェリコを中心にイタリア・ルネサンスの混合技法を学び、古典絵画の研究に携わってきました。1987年には第30回「安井賞展」で佳作賞を受賞。2013年に武蔵野美術大学造形学部油絵学科油絵専攻教授に着任後は、西洋の古典絵画技法を今の絵画表現へと繋ぐべく、後進の育成にも尽力してきました。
本展では、1990年代以降の初期の作品から現在に至るまでの作品約70点を一堂に展示し、その制作活動の軌跡を辿ります。

| 本展の見どころ |

「故郷を喪失したものたち」と共に辿りつくことのない故郷への旅を続ける画家・川口起美雄。その旅の記録者として1970年代の終わりから描き続けている一連の作品の中から、本展では、1990年代から現在に至るまでの作品をご紹介します。
ウィーン派の巨匠ウォルフガング・フッター(Wolfgang Hutter, 1928−2014)の下で技法研究の研鑽を積んだ川口の作品の数々は、インプリミトゥーラと呼ばれる一層目の絵具層の粗描きから出発し、テンペラと油彩の併用による混合技法によって描かれています。重厚な画面の中に、卓越した技法で描かれる日常にあるリアルな断片で構成された塔や窓辺の風景、鳥や犀などの動物によって、メタファーに満ちた不可思議な非日常の世界として広がり、誰も見たことのない絵画世界を切り拓き続けています。
長年にわたり一貫してヨーロッパの古典技法を追究し、独自の哲学的思想から「絵でしか語ることのできない独特の物語=読まれる絵画」と称される川口起美雄の世界。作品の前に立つとき、見るものはあたかも鏡をみているかのように自らの旅を想い、時間を重ねることになるでしょう。

| 作家紹介 |

川口起美雄(かわぐち きみお)
画家・武蔵野美術大学 造形学部油絵学科油絵専攻教授 1951年長崎市生まれ。
1975-77年 オーストリア国立ウィーン応用美術大学に在籍。ウィーン派の巨匠ウォルフガング・フッター教授の下でブリューゲルを中心に北方ルネサンスの混合技法を習得。1985-86年文化庁在外研修員としてイタリアに渡る。フィレンツェ市文化財修復監督機関(ウフィツィ美術館修復室)に於いてフラ・アンジェリコを中心にイタリア・ルネサンスの混合技法を学ぶ。1986年 第30回「安井賞展」佳作賞受賞。
2013年武蔵野美術大学油絵学科油絵研究室に着任、多くの学生の指導にあたる。

| 展覧会概要 |

川口起美雄—I’ll be your mirror
会場:武蔵野美術大学 美術館展示室3・4
会期:2021年9月6日(月)- 10月2日(土)
開館時間:10:00-18:00(土曜日・特別開館日は17:00閉館)
※9月20日(月・祝)・23日(木・祝)は特別開館日
休館日:日曜日
入館料:無料
主催:武蔵野美術大学 美術館・図書館
協力:彩鳳堂画廊、武蔵野美術大学油絵学科油絵研究室
※会期などは、変更になる場合があります。最新情報は当館webサイトでご確認ください。
武蔵野美術大学 美術館・図書館 webサイト https://mauml.musabi.ac.jp
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