県内の土砂災害特別警戒区域 280カ所で緊急点検 机上と現地点検で 熱海市の土石流受け

 静岡県熱海市で発生した土石流災害を受け県は7日、県内で土砂災害の特別警戒区域内に人家がある約280カ所で、緊急点検を実施すると発表した。16日までに机上点検を終え、必要に応じて現地点検を順次速やかに実施するとしている。

 土石流の土砂災害警戒区域は、崖の高さや斜面の傾斜など土砂災害防止法が定める地形などに基づき県が明示。基本的に人家がある場所、将来開発の見込みがある場所で、平成28年に全ての箇所の調査を終え、5357区域を指定している。

 緊急点検の対象となる特別警戒区域について、県土木部砂防課は「分かりやすい基準として、土石流が発生したときに家の中にいても、家が破壊されて人的被害を被る恐れがある場所」としている。上越地域は上越市29カ所、妙高市5カ所、糸魚川市22カ所が対象。

 これらの区域では例年、県と市町村で機会を捉えて点検、土砂災害への啓発を行っている。糸魚川市来海沢はすでに地滑りが発生している地域として体制を強化し、今後の変化に応じて対応するという。

 今回の緊急点検では2段階点検を実施。衛星画像データなどから新たな崩落や盛り土などの地形改変の有無を確認する机上点検と、新たな崩壊や地形改変が確認された区域を対象とした現地調査による詳細点検を行う。

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