G救援陣に朗報! デラロサが今季4度目の離脱“回避”のウラ側

欠かせない戦力のデラロサ

最悪の事態だけは避けられそうだが…。一時の最大8ゲーム差から2・5ゲーム差で首位・阪神を追う原巨人。8連勝で一気に差を詰めたものの、フル回転が続くG救援陣に疲労の色が見え始めた。五輪中断期間に回復を図ることになるが、そんななかG投の要の一人である元守護神ルビー・デラロサ投手(32)の今季4度目のチーム離脱が回避されたという。

8日の中日戦(東京ドーム)で巨人はプロ初勝利を狙った先発・直江を3回途中1失点で早めに交代。今村、桜井、大江、ビエイラと無失点継投で打線の援護を待った。

ところがG打線は竜先発・柳の前に8回4安打8三振と無得点。9回は竜守護神R・マルティネスに梶谷、坂本、丸が三者連続三振を喫し0―1で敗れた。今季6度目の零封負けで7カードぶり負け越しに、指揮官は「0点だもんね。やっぱり何とかせないかんでしょ。最終回もKKK(3三振)だからね」と打線に奮起を促した。

この日、阪神が勝利し、首位奪回には9日からの直接対決(甲子園)で3連勝が必要となった。6月に8連勝で猛追を見せたが、反動をもっとも受けているのが救援陣だ。

先発の柱・菅野が不調で五輪代表を辞退し再調整中。途中加入の山口が3戦2勝1敗、防御率1・33と奮闘も、完投能力のある先発はごくわずか。自然と救援陣の登板数が増していた。

今季のG投はただでさえ離脱者続きだ。5月に野上が右肩違和感、6月22日に左腕・中川が左肋骨骨折。さらに開幕直後に右肩を痛めた大竹は、6月下旬に今度は右ふくらはぎの筋損傷により故障班に逆戻りとなった。

6日の中日戦(前橋)では勝ち継投の高梨(32登板)、鍵谷(35登板)が8回に1点のリードを守れず逆転負け。新守護神ビエイラ(33登板)がこの日、22試合連続無失点と気を吐いたが、台所事情は火の車だ。

そもそもの発端は守護神デラロサの3度の離脱だった。3月の左足小指骨折、4月の米国市民権取得、6月の左脚違和感と離脱を繰り返した。

今月3日の一軍復帰後、右腕は4戦連続無失点とようやく調子が上向いた。連投のためこの日はベンチ外も、セットアッパーとして欠かせない戦力となっている。

だがその右腕に再び〝離脱危機〟が訪れた。夫人が8月に第3子を出産予定で立ち合いを希望する可能性があったのだ。過去にはCSを控えた2019年10月に第2子出産に立ち会うためチームの許可を取り、自宅のある米国アリゾナ州に戻っている。

今季は新型コロナの影響で家族の来日がかなわなかったスモークが退団。助っ人は基本〝家族ファースト〟のため、右腕の再離脱が心配されたが「出産の立ち合いでデラロサが米国に戻ることはないそうです。今季すでに3度も離脱してこれ以上、チームに迷惑はかけられないということでしょう」(チーム関係者)

五輪中断期間があるとはいえ一度、米国に戻れば来日後に再び隔離期間が必要となる。最悪の事態は免れそうだが、今後も逆転でのV3に向けギリギリの戦いが続きそうだ。

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