フェラーリF1、マラネロに最先端の新シミュレーターを設置。9月から2022年型マシン開発に導入へ

 7月7日(水)、フェラーリはマラネロに新しいシミュレーターを設置したと発表した。今後数週間のうちにシミュレーターのキャリブレーション作業が行われ、9月には新シミュレーターを使用して、完全に新型となる2022年マシンの設計フェーズをサポートする。

 ジェスティオーネ・スポルティーバのメインオフィスとフィオラノのテストトラックの間にあるシミュレーターユニットは、この分野で最先端のものであり、360度の環境を再現する。フェラーリによると、「現在市場に出ているもののなかでも最もレイテンシーが低く、最も帯域幅が広い」という。

 この最先端シミュレーターは、フェラーリとイギリスに拠点を置くDynisma社との独占的な協業の結果により生まれた、完全に新しいコンセプトが元になっている。Dynisma社はフェラーリのエンジニアだったアシュリー・ウォーンが率いる高性能モーション企業だ。このシミュレーターはマラネロのチーム専用に作られている。

「F1マシンの開発において、シミュレーションとデジタル技術はいっそう重要な役割を占めることになる。我々は可能な限り最善の選択をしたと考えており、この分野において世代を飛躍させるツールを作ることに重点を置いている」とフェラーリのサプライチェーン責任者であるジャンマリア・フルジェンツィはコメントした。

「シミュレーターを作るために、我々は若くダイナミックな企業であるDynisma社を選んだ。このプロジェクトを完了するのに2年がかかっている。今後我々は『674プロジェクト』においてこのシミュレーターを使い始める用意ができている。これは2022年に施行される新テクニカルレギュレーションを元にして作られるマシンに付けられた名前だ」

 夏の間、フェラーリはレースウイークの準備を進める一方で、既存のシミュレーターを使用してSF21の開発作業を継続する予定だ。

2021年F1第9戦オーストリアGP シャルル・ルクレール(フェラーリ)

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