エンゼルス・大谷翔平もはや野獣!!トラウト「球宴のHR競争は見逃せないぜ」

全てが規格外の大谷(ロイター=USA TODAY Sports)

エンゼルスの大谷翔平投手(27)は現在、シーズン60本塁打ペースでアーチを量産している。米スポーツ専門局ESPN(電子版)は8日(日本時間9日)に大谷の打撃におけるパワーのすごさを「みんなの開いた口がふさがらなかった」と題した特集を組んだ。主砲マイク・トラウト外野手(29)をはじめ、選手、首脳陣はどこに驚いたのか。

大谷は7日(同8日)のレッドソックス戦の5回に左腕ヘルナンデスから右翼席中段に32号決勝ソロを放って、松井秀喜が2004年にマークした日本人シーズン最多本塁打記録をチーム86試合目で塗り替えた。

打球速度114・5マイル(約184キロ)、飛距離433フィート(約132メートル)のロケット弾に実況アナウンサーは「ビースト(野獣)だ」と絶叫。大谷の規格外のパワーを物語る一発だった。

エンゼルスの打撃インストラクターのポール・セレントは大谷が新人だった18年5月にデンバーへ遠征した際、クアーズ・フィールドでの打撃練習に「開いた口がふさがらなかった」と振り返る。右中間の3階席に飛び込む推定492フィート(約150メートル)の超特大弾を連発し、全米の野球ファンを驚がくさせたのだ。

18~19年に同僚だったコール・カルフーン外野手(33=現ダイヤモンドバックス)も「俺が見たなかで最もばかげた当たりだった。今までにだ」と同調したという。

今年の本塁打競争はそのクアーズ・フィールドが舞台。標高1600メートルに位置して空気が薄く、打球が飛ぶとされる。トラウトは「ホームランダービーを見ないわけにはいかない。すごいショーになるはず。大谷はばかげたパワーでどこにでも打ち込める。コロラドで見られるとなると、これは見逃せないTVとなる」と興奮気味に話した。

カルフーンは「どんな硬さのボールかによって飛び方は違ってくるが、大谷は簡単にフェンスを越えるはずだ」と考える。トラウトも「大谷は場外へ飛ばすかもしれない。私は真剣だよ」と同意見だ。

大谷のパワーはデータを見れば一目瞭然。同電子版によると、32本塁打中、14本が30度以上の角度で打ち上げ、15本が打球速度110マイル(約177キロ)以上で、14本が飛距離425フィート(約130メートル)を上回るのだ。こんな選手はいないだろう。18年に同僚だったマット・シューメーカー投手(34=現ツインズ3A)は「絶対的な冗談」とあきれ、19年と20年8月までチームメートだったトミー・ラステラ内野手(32=現ジャイアンツ)は「これまでで最もパワーがあった」と証言する。

ジョー・マドン監督は「翔平と比べられる選手はだれもいない。我々みんなベーブ・ルースのプレーを見るのがどんな感じだったか想像をかきたてられロマンチックな気分になる」と語った。MLBを席巻する大谷のパワーを同時代に目撃できることは幸運だ。

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