故谷口さん描くドキュメンタリー映画 『長崎の郵便配達』完成試写会

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来場者に作品の完成を報告する川瀬監督=長崎市、ユナイテッド・シネマ長崎

 核兵器廃絶運動をけん引した長崎の被爆者、故谷口稜曄(すみてる)さんにスポットを当てたドキュメンタリー映画「長崎の郵便配達」(川瀬美香監督)が完成。関係者向け試写会が8日、長崎市尾上町のユナイテッド・シネマ長崎で開かれた。
 原案は元英国軍人のジャーナリスト、故ピーター・タウンゼントさんのノンフィクション「ナガサキの郵便配達」。16歳の時、郵便配達中に被爆し背中に大やけどを負った谷口さんを、ピーターさんが来崎して取材し、1984年に出版した。
 映画の主演はピーターさんの娘で元トップモデル、イザベル・タウンゼントさん(フランス在住)。ピーターさんの死後22年を経て、遺品から谷口さんの取材テープを見つけたイザベルさんが2018年に来崎。長崎市内を巡って父の足跡をたどり、本に託された平和へのメッセージをひもといていくという内容。劇中には谷口さんやピーターさんの生前の映像も流れる。英語版で日本語字幕付き。
 同年8月に長崎でロケなど行い、当初は19年完成予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大などの影響で延期となっていた。
 川瀬監督は上映前のあいさつで、製作に協力した市民らに感謝の言葉を述べるとともに「長崎のまちに長く残ってくれるような映画になれば」と思いを語った。8月9日の長崎原爆の日に、県美術館(同市出島町)で中高生を対象とした無料上映会が開かれる予定。全国公開は未定。