【東京五輪 福島県勢勝負の夏】バドミントン3選手 金メダル獲得へ決意

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幾多の困難を乗り越え、初の五輪に臨む桃田選手。悲願の金メダル獲得を目指す=2020年12月、全日本総合選手権

 23日の東京五輪開幕まで9日で2週間となった。県勢17選手は本番を目前に控え、最終調整に励む。8日はバドミントンに出場する男子シングルスの桃田賢斗(26)=NTT東日本、富岡高出身=、男子ダブルス、混合ダブルスの渡辺勇大(24)=日本ユニシス、同=、混合ダブルスの東野有紗(24)=日本ユニシス、同=の3選手がオンラインで取材に応じ、金メダル獲得への決意をにじませた。

 ◇「感謝の気持ち表現」桃田賢斗選手

 「今は覚悟を決めてはっきりと言える」。真っすぐな視線で世界ランキング1位の桃田賢斗選手は迷いなく金メダルを宣言した。前髪を金色に染め、髪形にも決意を表現。「調子も上がり、感覚も良い」と充実感が漂う。

 昨年はマレーシアで交通事故に遭い、大けがを負った。今年は新型コロナウイルスに感染。幾多の困難を乗り越え「精神面」の成長を実感している。「試合に出られない期間、自分と向き合ってきた。苦しさから逃げずに頑張ってきた分、自信を持って戦えると思う」。手応えを感じながら練習に励む。

 福島県での中高6年間の教えが強さの根源にある。富岡高で身に付けた勝負強さや柔軟な足の運びは今でも勝利を支える。「本番でもその部分は出していく」と己を貫く覚悟だ。

 前回大会は出場がかなわず、今大会も一時、中止が頭をよぎった。「多くの方の支えでここまで来られた。感謝の気持ちをプレーで表現する」。恩返しの思いを夢のコートに刻む。

 ◇「2種目で世界一に」渡辺勇大選手

 福島県勢のバドミントンで唯一、男子と混合ダブルスの2種目で代表入りした渡辺勇大選手はメダル獲得までの明確なプランを描く。「本番までにどれだけ勝てるか道筋をつくるのが大事。良い状態で臨めればチャンスはある」。確かな自信を示し、準備に万全を期す。

 両種目でペアを組む同じ所属先の年上選手と成長を続けてきた。11学年上の遠藤大由選手(34)には相手の長所を打ち消す戦い方を学んだ。1学年上の東野有紗選手とは富岡一中時代から連係力を磨き上げた。ともに今年の全英オープンを制覇。「3人で一つのチーム」と捉え、高いレベルで調整に取り組む。

 中学1年生の時に東日本大震災を経験した。「福島の方々に勇気を与えられるようプレーで恩返しする」。本県への強い思いが大舞台を戦い抜く原動力の一つとなっている。

 7歳から夢見てきた五輪が目前に迫る。「2種目で世界一になりたい」。絶大な信頼を寄せる2人とともに、初舞台で2冠を狙う。

 ◇「福島を勇気づけたい」東野有紗選手

 東野有紗選手は、富岡一中時代から混合ダブルスでペアを組む渡辺勇大選手との絆を武器に頂点を見据える。「勇大君がいるから自分が生きる。金メダルが取れるように頑張る」。何度も会見中に視線を合わせ、信頼の強さをのぞかせた。

 約9年間、ペアを組んでいる。2012(平成24)年の結成当初から息ぴったり。2年後に世界ジュニアで銀メダルを獲得し、2018年に全英オープンを制して飛躍した。近年はコミュニケーションを一層増やし「お互いの考えを理解できている」とさらなる成長曲線を描く。

 中学2年生の時に東日本大震災を経験した。被災から10年が経過した今でもあの日を忘れずにプレーする。「バドミントンで福島の方たちを勇気づけたい」。本県への感謝の思いが心の奥底にある。

 本番では混合ダブルス日本勢初制覇がかかる。「五輪まであと少しの練習に励んでいきたい」。1学年下の相方との悲願へ、最終調整を進める。

混合ダブルスで富岡一中時代からペアを組む渡辺選手(右)と東野選手。初舞台で金メダルを狙う。渡辺選手は男子ダブルスとの2冠を見据える=2021年3月、全英オープン