8月9日午前11時2分にシャッターを 「忘れないプロジェクト」写真展

写真の紹介をする小川さん=佐世保市、島瀬美術センター

 長崎原爆がさく裂した8月9日午前11時2分に合わせ思い思いの写真を撮る「忘れないプロジェクト」の写真展が佐世保市島瀬町の島瀬美術センターで開かれている。11日まで。
 被爆者でアマチュアカメラマンの小川忠義さん(77)=長崎市江平1丁目=が、原爆投下時刻に黙とうをする人が少なくなったと感じ、2009年に始めた。
 会員制交流サイト(SNS)などを通じて写真を募集。長崎市を中心に開催していたが、より多くの人に知ってもらおうと、昨年から佐世保市でも開いている。
 会場には、県内外から寄せられた172点を展示。浦上天主堂前から爆心地方向の空を撮影したものや、福岡市の自宅で子どもが手を合わせている姿など、それぞれの平和への思いが込められた写真が並ぶ。
 娘、孫と一緒に訪れた潮見町の会社員、山崎有紀さんは「若い世代には、原爆投下の日にちすら知らない人もいるのでは。たくさんの尊い命が奪われたこの日を忘れないようにしたい」と話した。
 小川さんは「8月9日午前11時2分に撮る、何げない日常の写真。これらは平和だから撮影できるもの。76年前はそんな日常が一瞬でがれきになったことを、胸にとどめてもらいたい」と話した。
 今年も8月9日午前11時2分に撮影する写真を募集する。応募は8月31日までに小川さんにメール(t.ogawa.322@ezweb.ne.jp)で。

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