【東京五輪】陸上・多田修平 無観客開催に「仕方がないことだと思っています」

男子短距離代表の合宿に参加した多田修平(左)と小池祐貴(代表撮影)

東京五輪の陸上男子短距離日本代表選手団の公開練習が9日、山梨・富士北麓公園で行われ、練習後に男子100メートル代表で五輪初出場を決めた多田修平(25=住友電工)がオンライン取材に応じた。

多田は五輪代表選考会を兼ねた6月の日本選手権第2日(大阪・長居)の男子100メートル決勝で10秒15(追い風0・2メートル)をマークして初優勝。代表の座を手に入れ、涙を流したシーンは感動を呼んだ。快挙から2週間、多田は「日本選手権はすごい緊張がガチガチで、プレッシャーもあった。決勝はすごい硬い走りになりました」と振り返りつつ、「五輪では過度に緊張せず、リラックスして楽しめればいいのかなと思っています」と話した。

東京五輪では〝リレー侍〟のメダル取りにも期待がかかる。その一員として重要な役目を担う多田は「本当に日本短距離チームは仲の良い雰囲気でやっている。その雰囲気をしっかり受け継いで、上下関係もなく、信頼を持ってやっていきたい」と話す。かねて「第1走」に名乗りを上げており、その具体的なビジョンについては「まだ1走の練習ができていないんですけど、2017年とか19年のリレーを見返すとバトン渡しで減速が激しく(スピードが)落ちているところが気になった。今回は日本選手権を含め、後半をある程度、維持して走れているので、リレーでもトップスピードを維持したまま次の走者に渡すところを意識してやっていきたい」と語った。

一方、東京五輪は1都3県(東京、千葉、埼玉、神奈川)の全会場無観客が決定。その心境を問われると「仕方がないことだと正直、思っています。選手の立場からすると、全力で走って、皆さんに笑顔を提供することが自分らの役目だと思っている。自分の競技にしっかり集中して、良い走りをお見せすることができればいいなと思っています」と話した。

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