2021年カンヌ国際映画祭、コダックフィルムで撮影された19本の新作登場

コダックの映画エンタテインメント部門の発表によると、2021年カンヌ国際映画祭において、パルムドールの受賞を目指す8作品を含む19作品がフィルムで撮影された作品だという。フィルムで撮影された作品は、オフィシャルセレクション、ある視点、批評家週間、監督週間等の各部門で上映予定。

ウェス・アンダーソン、ショーン・ペン、ミア・ハンセン=ラブ、ジュホ・クオスマネン、アピチャッポン・ウィーラセタクン、イルディコー・エニディ、ヨアヒム・トリアー、ショーン・ベイカーらの監督たちがコダックフィルムで撮影し、本映画祭でコンペ部門に出品。

特にスーパー16の復活が顕著で、10作品が独特のルック(映像の見た目)を取り入れるために、撮影メディアとして選択しているという。特にショーン・ペン監督と撮影監督ダニエル・モデルの「フラッグ・デイ」と、ショーン・ベイカー監督と撮影監督ドリュー・ダニエルズの「レッド・ロケット」は、両作品ともコンペ部門に出品している。

「Flag Day」(監督:ショーン・ペン)のダニエル・モデル撮影監督は次のようにコメントしている。

フィルムには他のメディアでは真似できない特徴があります。私たちの心が物事を捉えるのに似たような寛大さが本当にあると思います。この物語は、1970年代と少しだけ1980年代を舞台にしています。

ショーンが最初に要求したのは、フィルムでなければならないということでしたが、皆がそれに同意してくれました。16mmを選んだのは、紛れもなくフィルムルックであるという点で、さらに良かったと思います。ショーンから渡された参考資料の多くは、まさにフィルムのようなルックと深い黒を持つものでしたから。またショーンは、私がDIテントに閉じ込められることも望んでいませんでした。プレイバックもしませんでした。撮影現場で映画を作るという古典的なシステムに回帰していました。現場ではモニターへのアクセスも制限されていましたが、そのおかげで私たちは信念を持って前に進むことができました。そのおかげで、クリエイティブで効率的なワークスペースが確立できました。

近年、本映画祭に出品されたフィルム撮影作品は、2016年に9作品、2017年に10作品、2018年に13作品、そして2019年には過去最高の17作品と、着実にノミネート数や評価が上がっているという。

コダックの映画エンタテインメント部門のプレジデントであるスティーブ・ベラミー氏は次のようにコメントしている。

コダックを代表して、2021年のカンヌ映画祭での上映やコンペティションに作品が選ばれたすべての映画アーティストの皆さん、おめでとうございます。フィルムで撮影された作品の評価が不釣り合いと思えるほど高まっているのは単なる偶然ではありません。

フィルムには、最高に魅力的な美的センスと比類のない品質があります。カンヌでは、フィルムで撮影された作品が数多く出品されていますが、これはフィルムというメディアの継続的な勢いを示しています。今年のカンヌで評価されたアーティストの方々には、フィルム独特の価値を理解していただけたことに感謝したいと思います。フィルムで創作し、存分に他との差別化を図ってください!

2021年 カンヌ国際映画祭のフィルム撮影作品

■コンペティション部門

■ある視点部門

■批評家週間―短編部門

■監督週間 ― 長編部門

■監督週間 ― 短編部門

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