【東京五輪】「政治的パフォーマンスだ」橋本会長がバッハ会長の広島訪問を“擁護”も批判の声

東京五輪・パラリンピック組織員会の橋本会長(代表撮影)

民意はNO!なのに…。東京五輪・パラリンピック組織員会の橋本聖子会長(56)は9日、都内で定例会見を行い〝五輪貴族〟の被爆地訪問について言及した。

東京五輪の開幕を間近に控えた中、8日に来日した国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長(67)は16日に被爆地の広島・広島市を、先月15日に来日しているジョン・コーツ副会長(71)も被爆地の長崎・長崎市を訪問する方向で調整が進んでいる。

ただ、新型コロナウイルス禍の影響で、東京都に4度目の緊急事態宣言が発令されることが決定。その他の地域でも感染者が増加傾向にあることから、ある競技団体の関係者は「バッハ会長らの行動は政治的パフォーマンスにすぎない。組織委は何を考えているのか」と不満をのぞかせた。

それでも、橋本会長は「五輪、パラリンピックの根本原則は平和。唯一の被爆国である日本が長崎と広島から平和の発信をしてほしいという依頼を地元からいただいている。完全な感染症対策を講じた上で、国内外に平和を訴えていただきたい」との考えを示した。

あるオリンピアンは、かつて本紙に「実際のところ『平和の祭典』というアピールにはならないと思う。コロナがあるから五輪をしなかったという方が評価になりそうだけどね」とコメント。地元・広島の住民からも、バッハ会長の訪問に対して批判の声が聞かれていたが、やはり〝五輪貴族〟は優遇されるということなのか。

© 株式会社東京スポーツ新聞社