【東京五輪】無観客開催にチケットホルダーも困惑「組織委の判断が遅すぎる」

新国立競技場も無観客とは寂しい限り

なぜ今ごろなのか――。東京五輪・パラリンピック組織委員会は9日、2週間後に開幕を控えた東京五輪が首都圏の1都3県で無観客開催となったことを受け、販売済みのチケットの総セッションのうち、約95%を払い戻すと発表。しかし、チケットホルダーからは「分かっていたこと」と不満の声が上がっている。

新型コロナウイルス禍の影響で、東京都に4度目の緊急事態宣言が発令されることが決定したため、苦渋の判断を下した組織委。鈴木秀紀マーケティング局次長は「かなりの数が払い戻しとなる」と説明した上で「本当に申し訳ないという気持ちでいっぱい。ご期待に添うことができないことを残念に思う」と謝罪した。

横浜スタジアム(神奈川・横浜市)で野球を観戦予定だった地方在住の男性は「無観客開催は仕方ない」と理解を示した一方で「このような形になる可能性があるのは前から分かっていた。無観客になるだろうと思っていたけど、組織委の決断が遅すぎる」と苦言を呈した。

当然、五輪を観戦する上で、宿泊施設は予約済み。男性によると、60日以内にキャンセルをした場合、支払額の50%しか戻ってこない。同ホテルの担当者は「無観客開催が決まったばかりで対応が決まり次第、お伝えする。現時点では何とも言えない」と話しているという。

組織委の遅すぎる対応は、チケットホルダーにとっても大きなマイナス。だからこそ、同男性は「有料でもいいから無観客開催によって競技場に足を運べなくなったチケットホルダーたちに、記念のチケット等を配ってほしい」と声を大にする。

無観客や再抽選で無効となったチケットは自動的に払い戻されるが、チケットホルダーのモヤモヤは募るばかりだ

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