野球の魅力を今こそ語り合おう!

野球大国であるアメリカ。シーズン真っ最中のMLBの観戦はもちろん、ここニューヨークでは日本人チームによる草野球も盛り上がっているようだ。そんな幅広い野球の魅力を今こそ語り合おう! (取材・文/中村武彦、中村英雄)


スポーツマーケター 中村武彦さんに聞く 今季流MLBの楽しみ方

昨年はパンデミックにより、通常の162試合から60試合へとシーズン短縮化、そして無観客試合という異例ずくめのMLBシーズンでしたが、街が順調に回復してきた今季は例年通り、レギュラーシーズンが開幕中です。地元ニューヨーク勢のヤンキースは残念ながら連敗を喫し、メッツはコロナ禍の影響で延期という滑り出しでしたが、先月28日にはヤンキースとロサンゼルス・エンゼルスが対戦し、いま注目の大谷翔平選手が2打席連続本塁打を放ち、MLB単独トップになるなどシーズンを盛り上げています。

6月30日、対エンゼルスのヤンキーススタジアムは満員だった

スタジアム観戦も 通常体制へ

ヤンキースタジアムは先月18日から収容人数が100%に回復しています。検査やワクチン接種証明も全面的に不要(マスク着用は引き続き奨励)となっているので、今年は実際にスタジアムに出かけて観戦を楽しみたいものです。

ニューヨークといえばヤンキース、メッツ、そしてブルックリン・サイクロンズ(メッツ傘下のマイナーリーグチーム)が存在します。それぞれのスタジアムには特徴があり、ブロンクスにあるヤンキースタジアムは、旧ヤンキースタジアムの名残を残しつつ、レジェンズシートなどの設備や施設内のミュージアムで重厚な歴史に触れることもできる楽しいスタジアムです。またクイーンズにあるシティフィールドは、駅から出るとメッツ・ホームラン・アップルが出迎えてくれ、シェイブリッジなど見どころも多く、食べ物やビールの種類が豊富なのが特徴です。

マイナーリーグを 楽しむのも醍醐味

またマイナーリーグの試合も違った醍醐味があるものです。米国では、メジャーリーグとは異なるアットホームなエンターテインメントとして根強い人気を誇ります。以前マイナーリーグの視察をした際に球団職員が、「私たちは野球という競技や勝敗を売っているのではなく家族が楽しめるエンターテインメントを売っているのです。仲間と飲んで楽しめる環境を提供しています」と言っていたのが印象深く残っています。

米国のスポーツは試合時間が長く、イニングごとに区切りもあり、スポーツ観戦をBGMに、仲間とソーシャライズするエンターテインメントとも言えます。

サイクロンズも、1試合平均約5000人の観客動員数を誇る人気チームで、5月より活動を本拠地コニーアイランドで再開しており、訪れてみるのもおすすめです。

また、スポーツビジネスの観点からすると、どのチームやスタジアムもコロナ禍の影響で新テクノロジーを導入し、以前よりも観戦体験が向上していることに注目しています。例えば接触を避けるためにモバイルでの飲食の注文が主流になったりと、今後ますますデジタル化が進むかもしれません。

そして、スポーツは自分自身がプレーをすることも大きな楽しみの要素です。ニューヨークでも草野球の裾野は広く、日系のローカルリーグも盛り上がっています。次のページで紹介するチームに参加してみたり、観戦に出かけたりしてみるのも楽しいでしょう。

中村武彦

マサチューセッツ大学アマースト校スポーツマネジメント修士取得、2004年、MLS国際部入社。 08年アジア市場総責任者就任、パンパシフィック選手権設立。 09年FCバルセロナ国際部ディレクター就任。 ISDE法科大学院国際スポーツ法修了。 FIFAマッチエージェント。 リードオフ・スポーツ・マーケティングGMを経て、15年ブルー・ユナイテッド社創設。

© Trend Pot NY,LLC