感染症専門医育成へ 長崎大と医師紹介会社が協定 新設センターの活動発信

感染症専門医育成に向け協定書を交わした河野学長(前列左)と由良社長(同右)=長崎大

 長崎大は9日、感染症専門の医療人材の育成と支援を目的に、医師紹介会社メディカル・プリンシプル社(東京、MP)と包括協定を結んだ。国立大と民間の医師紹介会社との協定締結は国内初という。新型コロナウイルス禍で感染症専門医の不足が浮き彫りとなる中、長崎大学病院に今春新設した「感染症医療人育成センター」の活動を、MPのネットワークを通して全国に発信する。
 MPは医師の就職や転職、研修などに関する情報をウェブサイトや月刊誌で提供。登録会員数は医師や学生ら約13万4千人に上る。日本最大規模の医学生・研修医向け研修病院合同説明会「レジナビFair」は例年、全国9会場で開催。2019年には2350施設が出展し、学生1万人が来場した。
 長崎大は国内屈指の感染症研究・治療の拠点。新型コロナ禍でも地域医療を支えている。だが感染症専門医の獲得競争は激化しており、MPとの連携により、優秀な人材を確保したい考え。
 感染症医療人育成センターは4月、「日本における感染症教育をリードしていくため」(河野茂学長)に長崎大学病院に開設した。専門医だけでなく、看護師、薬剤師、臨床検査技師らの育成も強化。各種研修プログラムを設け、全国から希望者を募る。
 9日、長崎市文教町の同大であった協定締結式には、MPの由良芳從(よしつぐ)社長らが出席。河野学長はあいさつで「全国からより多くの医学生や医師を受け入れるため、協定により継続的かつ戦略的な広報を行う。国際的に活躍できる人材を育成したい」と述べた。

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