鹿児島県・宮崎県・熊本県に大雨特別警報 10日(土)午後も激しい雨のおそれ 土砂災害・川の氾濫に最大級の警戒を

 きょう10日(土)は鹿児島県で線状降水帯が発生するなど、九州南部や熊本県で記録的な大雨となっている。すでに災害が起きているおそれもあり、午後も激しい雨が降る見通しのため、命を守るために最善の行動をとる必要がある。土砂災害や川の氾濫などに最大級の警戒が必要だ。

鹿児島県で線状降水帯が発生 九州南部・熊本県で記録的大雨

 九州では梅雨前線に向かって大陸から非常に湿った空気が流れ込み、さらに上空の寒気の影響も加わって、昨夜遅くから局地的に非常に激しい雨が降り続いた。
 鹿児島県では10日(土)の午前3時半ごろと午前7時40分ごろの2度にわたって線状降水帯が発生し、同じような場所で非常に激しい雨が降り続いたことで、鹿児島県さつま町ではわずか半日で350ミリを超える雨量が観測された。

 午前11時時点で鹿児島県・宮崎県・熊本県に大雨警戒レベル5に相当する大雨特別警報が発表されている。
 すでに災害が発生しているおそれがあり、まだ災害が起きていない場所でも土砂災害や川の氾濫などに最大級の警戒が求められる。

 午前11時時点で以下の市町村の全域または一部に緊急安全確保が発令されている。
・鹿児島県 薩摩川内市、出水市、伊佐市、さつま町、湧水町
・熊本県 人吉市
・宮崎県 えびの市

 「緊急安全確保」は、警戒レベルで最も高いレベル5の情報で、周囲の状況を確認し、近くの建物や自宅の2階以上、斜面から離れた場所など少しでも安全な場所で命が助かる可能性の高い行動を取る必要がある。

夕方まで激しい雨のおそれ 雨がやんでも時間差の災害に警戒を

 10日(土)午後も九州南部や熊本県では激しい雨が降るおそれがあり、夜になると雨は弱まる見込み。ただ、地面はすでに大量の水を含んだ状態となっているため、土砂災害には厳重な警戒が必要となる。
 また、中小の河川ではすでにかなり増水し、氾濫の危険性が高まっているほか、大きい河川では支流から水が集まることで、雨のピークに遅れて増水することもある。
 特に宮崎県・鹿児島県を流れる川内川では水位がかなり高くなるおそれがあり、川の増水・氾濫に厳重な警戒が必要だ。

(気象予報士・佐藤俊和)

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