1日最大8区間乗れる! FDAの「夢の乗り放題プラン」を体験してみた(前編)

フジドリームエアラインズ(FDA)が、旅行会社2社とともに販売している、「夢の乗り放題プラン」。1日最大8区間の搭乗が可能で、3日間プランでは最大24区間に搭乗できる。

日本空輸は「FLIGHT Rally 24」

ラド観光は「FlightPlan for Liberty」

として販売している。いずれも搭乗日の7日前まで予約が可能で、乗り継ぎに20分以上必要なこと、出発した空港に帰着すること、出発地に宿泊はできないことといったルールは同じ。両プランでは設定ホテルが異なるほか、搭乗日や宿泊日によって割増料金が必要となる。設定期間は7月1日から20日搭乗分まで。3月から4月にかけても設定していた。

日本空輸「FLIGHT Rally 24」

2日間:2名1室29,800円、1名1室30,800円

3日間:2名1室44,800円、1名1室46,800円

(搭乗が土日祝日は1日につき3,000円割増、宿泊ホテルにより割増あり)

ラド観光「FlightPlan for Liberty」

2日間:2名1室(セミダブル)29,800円、1名1室30,800円

3日間:2名1室(セミダブル)44,000円、1名1室48,000円

(搭乗が土日祝日は1日につき3000円割増、宿泊が土曜と休前日は3,000円割増)

今回、2泊3日で「夢の乗り放題プラン」を体験してみた。前編では計画の策定と1日目、後編では2・3日目についてお送りする。

FDAは、札幌/千歳・札幌/丘珠・青森・花巻・山形・仙台・新潟・松本・静岡・名古屋/小牧・神戸・出雲・高知・福岡・熊本・鹿児島に就航し、22路線を1日86便運航している。本社は静岡にあるものの、名古屋/小牧発着路線が最多。午前7時台の早朝の出発便が多数あり、目一杯フライトを楽しむには最適な出発地でもあるので、名古屋/小牧発着に決めた。

今回のプランを組み立てる際には、(1)同じ空港を通らないようにすること、(2)現地観光や食事を楽しめることの2点を重視した。

例えば、仙台には出雲線しか就航しておらず、両空港の単純往復になってしまう。山形は名古屋/小牧と札幌/千歳へ2路線が就航しているものの、単純往復する組み合わせを除くと滞在時間は2時間10分に限られ、市内に出ることは難しい。北から南までなるべく多くの都市に、という考えから、まずは行きたい都市を決めるのではなく、路線数が少ない空港や滞在時間が短い組み合わせを除外するといった作業から始めた。こうして出来た組み合わせをパズルのように組み立てることで、ルートを決定した。プランを考えるには、FDA公式サイトの時刻表ページにあるPDFの時刻表が最も参考になる。

最終的に決定したルートは以下だ。

FDA351 名古屋/小牧(07:10)〜花巻(08:20)

FDA846 花巻(14:50)〜神戸(16:30)

FDA232 神戸(10:00)〜松本(11:00)

FDA205 松本(14:25)〜福岡(16:05)

FDA150 福岡(20:00)〜静岡(21:25)

FDA171 静岡(09:35)〜札幌/丘珠(11:20)

FDA603 札幌/千歳(14:35)〜山形(15:50)

FDA386 山形(16:20)〜名古屋/小牧(17:30)

初日は青森に行くという手もあったが、滞在時間が2時間10分長い、花巻に決めた。

2日目は消去法で選んだ。神戸を発着する4路線、青森・花巻・松本・高知のうち、青森と高知に行った場合には、単純往復しない場合には、出発地の名古屋/小牧に戻ってしまう。前日には花巻から神戸へ移動しており、残るは松本のみ。松本も同様に、札幌/千歳・神戸・福岡の3路線あるが、翌日の札幌/千歳を考えれば、福岡に行くのがベター。同様に考えると、福岡から行ける空港は静岡のみになる。

最終日は、往復ともに札幌市内中心部に近い札幌/丘珠発着が良いが、札幌/丘珠から帰着地の名古屋/小牧には行けず、最終的に名古屋/小牧に帰るためには、札幌/千歳まで空港の移動が必要となる。山形での乗り継ぎが30分だが、時刻表にも乗り継ぎとして推奨されており、運航情報をみると同一機材の運用のようで安心だ。

こうして完成したルートをあらためてみると、滞在時間には余裕があり、万が一の際の遅れもカバーできる。仕事の合間に時刻表とにらめっこしながら、2日間かけて練った。

起点の小牧空港には、名古屋駅からバスで向かった。30分ほど前に到着し、搭乗手続きを済ませる。この日に乗る2便ともに手続きが可能だ。ちなみにFDAでは、搭乗手続きを出発15分前まで受け付けており、大手各社などより5分長い。

最初に乗るのはオレンジの5号機。FDAでは16機ある全ての機体の色が異なっていて、運航する機体はウェブサイトの発着案内から確認できる。機材繰りも一目瞭然で、今回のルートを組み際にも参考になる。

ちなみに1号機(ドリームレッド)と2号機(ライトブルー)、4号機(グリーン)のみエンブラエル170型機(76席)、それ以外はエンブラエル175型機(84席)だ。エンブラエル175型機でも、9号機以降の全幅は2.65メートル大きい。

午前7時19分に離陸し、新潟や山形上空を通過して花巻へ向かう。本州を梅雨前線が覆っており、眼下は一面の雲海。早朝便限定サービスのコモのクロワッサンとコーヒーを楽しんでいると、わずか1時間ほどで花巻に到着した。

機内アナウンスでは曇り、気温は18度とのことだったが、小雨が落ちてきた。止むことを願いつつ、盛岡駅行きのバスに乗り込む。

花巻空港駅を経由し、午前9時40分頃、ほぼ定刻に盛岡駅に到着した。「歓迎 消費量日本一!豆腐のまち盛岡」という、歓迎されているのかよくわからない看板が迎えてくれる。

まず、15分ほど歩いて向かったのは、「福田パン 長田町本店」。盛岡のソウルフードというか、B級グルメ的な立ち位置の老舗パン屋で、ふっくらしたコッペパンと、迷うほどの具材、そしてどれも安いのが特徴。食べログの百名店にも選ばれている。

一番人気のあん・バター(159円)を購入。店内の飲食はできず、やむなく持ち帰りにする。神戸に着いたあとに食べたが、ふっくら感は時間が経っても持続していて、ぺろりと完食。もう1つ買っておけば…と後悔した。

小雨が降る中、材木町や岩手銀行旧本店本館、もりおか歴史文化館を見学した後、向かったのは、じゃじゃ麺発祥の店「白龍 本店」。盛岡三代麺といえば、冷麺、わんこそば、そしてじゃじゃ麺だ。たっぷりの肉味噌を平打ち麺と絡めていただく。

そうこうしていると、そろそろ盛岡駅に戻る時間だ。駅でお土産を調達する。空港では利用者が少ない状況が続いており、売店の品揃えが良くなかったり、臨時休業をしている店舗もある。駅のほうが選択肢が多く、なるべく欲しいものは見つけたときに購入しておくことをおすすめしたい。花巻空港行きのバスは、盛岡駅を午後1時20分に出発。花巻空港には午後2時過ぎに到着した。

こうして、午後2時50分発の神戸行きに搭乗。2便目は岩手県とのネーミングライツにより、「黄金の國、いわて。」号として運航している、ゴールドの9号機だった。花巻から神戸まで、途切れることなく果てしなく雲海が続いていた。

神戸には午後4時40分に到着。この日に神戸を出発するフライトはないため、少々時間は早いが三宮に1泊する。夕食は梅田で寿司を食べ、ホテルには午前0時にチェックインした。(後編に続く)

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