新感覚のアウトドアグッズ!?SUNGOODでソーラークッキングに挑戦

エコな視点から注目を集めるソーラークッキング。手軽に調理出来ると聞いて、私も早速挑戦してみたものの、何度も繰り返す大失敗。
そこで、専門家の方にご指導いただきつつ、成功ポイントと失敗ポイントをまとめてみました!

使用アイテム紹介

SOLAR BROTHER「SUNGOOD(サングッド)」

SUNGOOD:¥13,200/鍋(COOKUP)は別売り:¥6,600https://www.chez-melin.com/sungood

今回私が使用したのは、フランスのメーカー「SOLAR BROTHER」が販売しているサングッドです。折り畳んで持ち運べるタイプのもので、重さ950gと軽量ですが100〜120℃の低温調理が可能。畳むと厚さが3cmになり、専用のバッグに入れてコンパクトに持ち運べます。

失敗例:ソーラークッキング初挑戦のミネストローネ

※成功例でも詳しくご紹介しますが、ソーラークッキングは自然相手の(私にとっては)繊細な調理法のようです。気象に対するアンテナを高くして、少しでも効率よく熱を集めることが、成功への近道です。

4月28日:晴れ:気温24℃

時々薄い雲がかかるものの、晴れ予報で風も落ち着いていたため、ソーラークッキングに挑戦!推奨レシピにもあった、(ほぼ)無水のミネストローネに挑戦することにしました。

スタート前の空の様子。この雲は、野菜を切っているうちに消えていきました。

11:00 具材の準備を終えて、太陽光加熱スタート

常温に戻した野菜を刻み、トマト缶や調味料、ベーコンを入れ下準備完了。専用の袋に入れて、ソーラークッキングスタートです。

調理の下準備は室内で行いました。

<失敗ポイント01:材料入れすぎ>
メーカー推奨お鍋COOKUP(クックアップ)の見た目の大きさ(20cm×33cm×深さ12.5cm)に惑わされて、普段通り家族5人分の具沢山スープを作ろうとしてしまいました。最初はまず、1〜2人程度の少量の料理から挑戦して、様子を見るべきだったと思います。

11:30 太陽に当ててから30分経過

南向きのコンクリートに設置し、30分が経過。袋の上から鍋を触ってみると、熱めのお風呂ぐらいのポカポカとした温度で、まだまだ時間がかかりそうです。(注:高温になっている場合がありますので、火傷にご注意を。)

天気予報通り、日差しも強くなっていい感じです。

<失敗ポイント02:パネル角度の間違い>
サングッドは、周囲を覆うパネルの角度を冬仕様と夏仕様の2段階に調節できる商品なのですが、(11時〜スタートしたこともあり)太陽の位置が高く感じられた私は、夏仕様に前側のパネルを起こしてセットしました。これも間違っていたと思います。

12:30 1時間半が経過し、袋に変化が!

袋の中に水滴がついてきました。開けると熱が逃げてしまそうなので中は見ずに待機。ところが、この頃からまた雲が現れ始め…太陽がかげってしまうと、途端に鍋の表面温度が低くなってしまいます。再び日差しが戻っても、鍋が温かくなるには更に時間がかかり、嫌な予感。

<失敗ポイント03:鍋を置く位置の間違い>
鍋は写真のようにソーラークッカーの真ん中ではなく、(背面側のパネルに寄せて)奥側に設置するのが正解だそうです。その方が、鍋で遮ってしまう分の光が少なくて済み、より効率よく太陽光を集められます。

13:00 中をチェックしてみると…

時々太陽がかげるものの、かれこれ2時間が経過したので開けてみることにしました。
袋を開くと、ふわっと野菜の香りがします。具材自体はまだ生ですが、下の方には野菜の水分が上がってきて、5割ぐらいが水分に使っている状態。温度を測ってみると50度しかありませんでした。

分かりづらいですが、ナスの下の方に水分があります。

14:00 3時間加熱したものの、上手くいかず

雲が厚くなってきたため、加熱開始から3時間でソーラークッキングを断念しました。
使用した鍋(クックアップ)は、ガスやIHでも調理可能ですので、食材はガスでしっかり加熱し、食べられる形に仕上げましたが、暖かい料理ができる気がしませんでした。

ソータークッキング終了時の鍋の中の様子。

ソーラークッキングを成功させるには!?大切な5つのポイント

その後も何回か失敗を繰り返してしまった私は、藁にもすがる思いで、日本ソーラークッキング協会事務局の西川さんに教えを請いました。

西川さんは、ソーラークッキング歴20年以上の大ベテラン。

太陽の力で料理するポイントは、1つ1つ工程をふんで、きちんと準備すること。5つのポイントを押さえれば、誰でも簡単に調理できるそうですよ。

①お鍋の選び方

左右グッド用のお鍋、クックアップは薄手の琺瑯鍋です。

使用する鍋は、蓋も側面も底面も、外側がなるべく黒いものを選びます。無い場合には、100均の鍋を黒く塗装して使用してもOK。ガラス蓋や耐熱のサランラップも使えますが、その場合は鍋の内側も黒くしておく必要があります。
また、メニューによっては、鍋ではなく黒いアルミホイルで包んで光を集める方法もあるそうです。

②熱を閉じ込める専用袋が大切

サングッドには、専用の袋が2枚付属しています。

ソーラークッキングには、専用の袋(保温フィルム)を使用します。この袋はオーブンバッグとも呼ばれ、海外ではオーブンでお肉を焼く時などに使用するメジャーなアイテム。これに入れて焼くとしっとりふっくらと仕上がり、煮汁でオーブンを汚すこともないと言う便利グッズです。

ソーラークッキングに使用する時には、温めた空気が逃げないよう、袋の口を1度折り返してから蛇腹折りにしてまとめ、しっかりと閉めます。その時、鍋にあまりピッタリさせず、ふんわりと空気を含むようにしてくださいね。

③ソーラークッカーのセット方法

後ろ側の十字穴部分をペグ打ちすると固定できるようになっています。

ソーラークッキングをする時には、土よりもコンクリートやアスファルトなどの乾燥した地面を選びます。もちろん、調理には晴れの日を選びますが、雨の後や湿度が高い場所は水蒸気で太陽光が乱反射し、眩しいほどの晴れの日でも思うように太陽のエネルギーが集まらないことがあるそうですのでご注意ください。

6月1日10:00頃 パネルを下げて設置

肝心のパネルの角度ですが、日本は緯度が高いため「夏・冬」でパネル位置を判断するのではなく、7〜8月以外のほとんどの季節を冬仕様(パネルは下げたまま)で調理できるそうです。どちらの角度が良いか迷った時には、アナログですが手を入れてみて熱く感じるほうを選ぶのが1番だとおっしゃていました(笑)」

※6月末に調理した際は、お昼前後だけはパネルを上げましたので、9月ぐらいまでは要注意な時期だと思います。

太陽が高い時間にだけ、真後ろにバツ印が浮かびました。

太陽に正体して置けているかどうかは、後ろ側にできる影で判断します。2本のラインがまっすぐ後ろに出ていればOK。
お鍋の下からも反射を取り入れられるように、必ず五徳も使ってくださいね。

④不安になっても、なるべく開けない

途中で中を確認した為、卵を焼くのに約1時間かかりました。

ソーラークッキングは、ジュージュー音がしたり煙が出たりしないので、焼け具合などが把握しづらく、慣れるまでとても不安になると思います。それでも、なるべく袋を開けないのが成功のコツ!温めた空気が逃げてしまうと、(私の感覚で)調理時間が1.5倍に伸びてしまいますので、グッと我慢して待ちましょう。
調理時間の目安は、家庭調理の1.5倍〜2倍だそうです。

⑤安全のため、サングラスとミトンは絶対!

太陽光を集めて調理しますので、思った以上のパワーになります。

たとえ真夏の太陽でなくても、鏡面のクッカーで集められた光は、かなりの強さになります。安全の為にも、調理に携わる人全員分のサングラスを用意して目を保護してください。
また、蓄熱製のあるお鍋ですと、100度以上になります。手袋や鍋敷の準備も忘れずに、ご自分も自然も大事にして楽しんでくださいね。

ポイントを踏まえて、3つの料理を作成

<ベーコンエッグバーガー>加熱時間目安:45〜60分

半熟ではないのに、黄身がもっちりしっとり仕上がります。

パン、卵、ベーコン、レタス、トマト、タルタルソース、塩胡椒、オーブンペーパー(orサラダ油)

鍋をよく温め、オーブンペーパーを敷いてベーコン、卵を焼きます。スキレットのように、蓄熱性の高い鍋をよく温めてから使用すれば、加熱時間は短くて済みます。
パンは黒いホイルに包んで別の袋に入れ、日に当てておくだけで、ふっくらしますよ。

<枝豆ミートローフ>加熱時間目安:120分

急に思い立って作ったので、牛挽肉を使用。出来上がりが赤っぽいですが、温度は80度に達していました。

挽肉、枝豆、味噌、ニンニク、塩胡椒

材料を混ぜて、パウンドケーキの型に入れ、温めた鍋の中におきます。ミックスベジタブルなどを入れても良いのですが、この日は残り物の枝豆を投入しました。加熱後に串をさしてみて、赤い血が出てこないかチェックを。
冷めてから切ると、綺麗にカット出来ます。

<骨つきハーブチキン>加熱時間目安:240分

太陽光でも、皮を上にして焼くのが正解でした。

骨つき鶏もも肉、ローズマリー、塩胡椒、オーブンペーパー

鶏肉に下味をつけ、冷蔵庫から出しておきます。太陽光で鍋を温め、オーブンペーパーを敷いて肉を並べ、ソーラークッカーに設置。時々太陽の位置とクッカーの向きを確認しながら、4時間加熱したら、きちんと火が通りました。

お腹を壊さないように加熱しよう!

西川さんいわく、調理中に太陽が雲に隠れ、うっかり温度が下がってしまっていたりすると、メニューによっては食中毒の危険があるそうです。

風がある日は、太陽が雲に隠れると、あっという間に温度が下がります。

厚生労働省の「食肉の加熱条件に関するQ&A」によると、食中毒になるような主要な菌類は75℃で1分加熱すると死滅するとのこと。(70℃で3分、65℃で15分以上の加熱が必要。)

西川さんは経験上、食材の中心温度60℃以上に保ち、最低でも30分以上温度を維持できない天候だった場合は、ガスコンロなどに切り替えて加熱調理しているそうです。

肉汁溢れるお肉は、冷めてもプリッとしていて美味しかったです。

ソーラークッカーは、太陽光でじっくり加熱するので食材の細胞を壊すことなく、中の水分を十分に保ったまま火を通すことができるそうです。キャンプでは、手間のかからないオヤツに、洗って入れておくだけの焼き芋やじゃがバターなどもオススメとのこと。
お子さんと一緒に調理すれば、夏休みの自由研究にも良さそうですね!

NEWタイプのサングッド:7/25までファンディング中

黄、赤、青の3色となったNEWサングッド

2019年に日本に登場したサングッドですが、新しいタイプが登場し、現在makuakeで7月25日までのファンディングプロジェクトに挑戦中です。
より効率よく光を集められるように、ミラーの角度を変更。素材もリサイクルプラスチックになりました。

組み立て式になった五徳

そして、五徳は持ち運びに便利な組み立て式に。高さも以前より高くなっているので、下からの光の反射をうまく活用できそうですね。

NEWタイプはブルーのバッグが目を惹きます。

専用の収納バッグはカラーが変更になり、使用しなくなったパラシュートをアップサイクルした、よりエコな物になりました。
どんどん太陽のパワーが増してきているこの時期。クラウドファンディングでお得に購入できるこの機会に、ぜひ挑戦してみてください。

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