【バスケットボール(男子)】後半の入りに課題を残し、勝利を掴めず/第70回関東大学バスケットボール選手権大会vs西武文理大

延期に延期を重ね、ついに開催された関東大学バスケットボール選手権大会。一昨年の結果によりシードを獲得していた慶大は3回戦から出場した。期待の1年生など新たな顔ぶれも加わり迎えるトーナメント初戦。対するは同じ3部リーグ所属の西武文理大だ。この試合で勝利し、先日の早慶戦で無念の敗退を喫した早大戦へと駒を進めることはできたのだろうか。

第70回関東大学バスケットボール選手権大会
1	Q	2	Q	3	Q	4	Q	合計
慶大	18	17	16	19	70
早大	22	15	35	17	89
◆	慶大スターティングメンバ	―	◆
#4 人見快(法4・慶應志木)
#5 小澤力哉(経4・慶應)
#9 山下卓馬(政3・静岡城北)
#11 山本康瑛(政2・長崎西)
#17 髙島孝太郎(総1・近大付属)
山本は持ち味のインサイドからの得点を重ねる

慶大ボールで始まった試合。先制点こそ西武文理大に奪われたが、すかさず山下卓馬(政3・静岡城北)がハイポストからミドルシュートを決める。その後も人見快(法4・慶應志木)、山本康瑛(政2・長崎西)がドライブで切り込み着実に得点を重ねていく。相手のスピードのあるドライブについていけず連続失点を許すも、最後は藤島渓(商2・慶應志木)が3ポイントを沈め、18−22で第2Qへ。

強気のプレーで3年・新井が応戦

逆転を狙う第2Q、互いに声を掛け合いながら人見、山本を中心に相手の速い展開の攻めに対応。オフェンスリバウンドを勝ち取った新井悠生(経3・慶應)がそのままシュート。互いに一歩も譲らない展開が続く。そんな中、山本がパスカットからレイアップをきっちりと決め同点に追いつく。一時慶大の得点が滞る時間があったが、小澤力哉(経4・慶應)、新井、山下が果敢にディフェンスリバウンドに飛び込み応戦。山下が苦しい体勢からシュートを決め重い空気を打ち破ると、用田昂大(法2・慶應志木)の放ったボールがリングをとらえるが2点のリードを許し、前半を終えた。

プレー外でも積極的な声掛けでチームを鼓舞した小澤

第3Q開始早々相手に3ポイントを決められるが、オフェンスリバウンドをつなげ山本の3ポイントで得点。しかし、相手の精度の高いシュートに苦しめられる。慶大もシュートを打ち続けるもリングに嫌われ得点に結びつかず、ベンチはたまらずタイムアウトを要求。その後、山本がフリーの3ポイントを落ち着いて決め、期待の新星・髙島孝太郎(総1・近大付属)が1対1から得点をするが、波に乗った相手の勢いを弱めることができない。さらに終盤には立て続けに速攻から得点を許してしまう。このQ終了間際に小澤がゴール下でリバウンドを押し込むも、51−72と点差を大きく離されてこのQを終えた。

ビックマン不在の中、山下はインサイドでのプレーで奮闘

後がなくなった第4Q、ここまでリバウンドでチームを支えてきた山下が3ポイントを決め攻守ともに活躍。さらには、山本のアシストを受けた髙島がハイポストからシュートを沈める。このまま勢いに乗りたい慶大は、オフェンスリバウンドを何度もつなげ着実に点を積み上げてく。しかし、ここまで激しいディフェンスを続けてきたことにより疲れが見え始め、シュートを決め切ることができない。さらには溜まったファールで相手にフリースローのチャンスを与えてしまい、点差を詰めることができずトーナメント戦敗退となった。

試合後、山下が話したように早慶戦でスタメン出場をした選手のうち3人が不在ということを敗戦の理由にしてはいけない。来たる秋シーズン、ハードな試合スケジュールの中で戦力が十分に揃わない場合も考えられるだろう。だからこそ、一人一人が自分の役割を理解し、どれだけ個々の力を出し切れるかがチームの勝利へと繋がる。また、今回の試合で公式戦初出場を果たした選手が多くいる。実践の舞台でのみ感じられる独特の空気、見えてきた課題や自身の成長を味わったことだろう。

ここから秋のリーグ戦までの時間をどう過ごすかが2部昇格への鍵となる。「共律」した姿を見せるために、春で得た収穫を活かしてほしい。

(記事・船田萌恵、写真・船田萌恵)

小澤力哉(経4・慶應)

――試合を振り返って

チームとして徹底して行わなければいけないことができず、課題が浮き彫りになった試合でした。

――トーナメント初戦でしたが、どのような気持ちで試合に臨みましたか

あくまでの気持ちの置き方は早慶戦と変わらず、「必ず勝つ」という気持ちで臨みました。

――早慶戦から修正したことはありますか

早慶戦ではもっとリバウンドに絡めたと感じていたので、今日はリバウンドに積極的に参加することはできました。ですが、アウトサイドのディフェンスに関しては逆に課題が残りました。

――コートでもベンチでも後輩に声をかけている姿が印象的でした

とにかく気持ちで戦うんだという話をしていました。今日の出場メンバーは公式戦初出場のメンバーが多かったので、緊張の中でも思い切ってやってほしいと声をかけました。

――リーグ戦に向けて夏をどのように過ごしたいですか

早慶戦とトーナメントを経て改めてチームと個人の課題が見つかりました。しっかりと敗戦を受け止めて、リーグ戦では全勝できるようにチームづくりを行いたいです。

山下卓馬(政3・静岡城北)

――試合を振り返って

同じ3部リーグ相手に負けてしまったので率直に悔しい気持ちです。スタート3人がいなかったから結果がついてこなかったで済ましてはダメで、しっかりと敗戦を噛み締めなければならないと感じています。また、ディフェンスの弱さが浮き彫りになってしまった試合でした。

――トーナメント初戦でしたが、どのような気持ちで試合に臨みましたか

今年は、対外試合が少なかったため、自分達の実力を試せる良い機会だと思い臨みました。

――早慶戦から修正したことはありますか

ワクチンの接種や怪我人の増加により全体練習ができなかったので、何か新しいことをやろうとはしませんでした。チームでリバウンドのアウトやシュリンクを克服しようとしていましたが、なかなかできませんでした。

――リバウンドに積極的に飛び込んでいましたが、試合中に意識したことはありますか

ビックマンが怪我でいなかったので、自分がなんとしてもリバウンドを取って、速攻に繋げられるようにしたり、相手のセカンドチャンスを与えないように意識しました。

――リーグ戦へ向けて夏をどのように過ごしたいですか

秋シーズンの目標である2部昇格を果たすために、7月、8月は全てをかけて準備し、万全の状態で臨めるようにします。

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