「1票」訴える候補者、最後まで熱戦 那覇市議選きょう投開票 

 「あと一歩。もう一度、周りの方に広めてください」「最後に力を貸してください」―。那覇市議会議員選挙の投開票が翌日に迫った10日、各候補者は市内を駆け巡り、選挙カーからの呼び掛けや街頭演説に奔走した。

 午前8時。70代の男性現職候補は市内の交差点に立ち、行き交う車や歩行者に向かって手を振った。「まだやり残したことがある。もう一度、私を市議会に送ってほしい」。若手、新人候補者の勢いをはね返すように、声を振り絞った。

 40代の女性現職候補は午前9時から、おそろいのイメージカラーのシャツを着た支援者と共に選挙カーに乗り込み、これまでの実績を強調した。「一番大切なのは命と暮らしを守ることだ」と拳を握り意気込んだ。夕方になると地元の地域を練り歩き、拡声器で支持を訴えた。演説には地元住民が駆けつけ、候補者は汗をぬぐいながら頭を下げて支持をお願いした。

 20代の男性新人候補者は午後6時ごろ、大型商業施設の前で演説をした。緊張しながらも「目の前の状況が変わらないことに悔しさを感じ、社会の仕組みを変えたいと政治の現場に挑戦する決意をした。出会った方々の声をしっかり届ける」と思いを訴えた。

 新型コロナの感染拡大を受けた緊急事態宣言下ということもあり、会員制交流サイト(SNS)の活用も活発だ。各候補は政策を紹介する動画や街頭演説の様子を投稿し、支援者らが拡散してインターネット上でも熱戦が展開された。

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