神奈川県内の全海岸線をごみ拾いしながら踏破する挑戦が続けられている。題して「プラゴミバスターズ 三匹のおっさんが行く」。NPO法人海の森・山の森事務局(豊田直之理事長)=横浜市港北区=の還暦を超えた3人が、西から東まで総延長435.09キロ、時に崖のような磯場に悪戦苦闘しながら歩みを進めている。
「プラごみの最も多い海岸はどこですか」。きっかけは、環境出前授業で豊田さん(61)に向けられた小学生からの質問だった。茅ケ崎や城ケ島のことは知っているが、他の場所は分からない。大切なことを知らないで児童に教えられるのか。理事の田中篤さん(60)、道下勝基さん(63)と夜、餃子(ギョーザ)をつつきながら話し合った。
翌朝には、静岡県境の湯河原の海岸に、機材をそろえて立っていた。2020年4月のことだ。
出発するや崖地続き。磯釣りには慣れていたが、特に真鶴半島には音を上げた。以後、通行が難しい場所は迂回(うかい)するようにした。
小田原の早川を過ぎたあたりから、アウトドアに強い同会員の出口剛さん(49)が加わり、「三匹プラスワン」となった。
月1回ペース。1回20~40キロほどのごみを集める。