「ふるさと納税」ポータルサイトはどんな違いがある?掲載数や決済方法などを比較

総務省が発表した「ふるさと納税に関する現況調査結果」によると令和2年度の利用者数は400万人を突破しました。

「ワンストップ特例制度」が導入された2015年以降、急速に利用者が増えている「ふるさと納税」。利用者の増加に合わせポータルサイトの数も増え、どのサイトを利用すればよいのか迷う人も多いのではないでしょうか。そこで、いくつかの有名サイトごとの特徴を解説していきます。


ふるさと納税の仕組みとは?

まずはじめに、ふるさと納税は「節税」ではなく「寄付」です。何もしなければ機械的に徴収される税金を、自分の意志で納税先の自治体を選ぶことができ、それぞれの自治体から返礼品を受け取れる仕組みです。

手続きが簡単な「ワンストップ特例制度」を活用した場合、関係してくる税金は「住民税」です。会社員(給与所得者)であれば、ほとんどの方が毎月の給料から住民税が天引きされていますが、今年(2021年12月31日)中に行った寄付金は、2022年6月分の住民税から、寄付を行った金額の分だけ、控除されることになります。
※寄付を行える金額は、年収に応じて上限があります。また自己負担額2,000円が必要です。

ふるさと納税額の控除額の上限の目安

その年の所得に応じて、ふるさと納税に使える「寄付金」の上限が変わります。総務省のデータを目安として自分がどのくらいまで寄付が控除されるか把握してみましょう。

総務省 ふるさと納税 年間上限の目安

ポータルサイトによる同一商品の違い

2019年の法改正により、以下のように主な条件に変わりました。

・税額控除の対象となる自治体は、総務省が指定する。
・返礼品は「地場産品」で、「3割以下」の価値に限る。
・経費率は5割まで。(返礼品、ポータルサイトの手数料、委託費用、その他経費などの総額)

この経費率ルールによって、各自治体ごと、ポータルサイトごとの契約手数料の違いが、最終的には返礼品の内容に影響されます。つまり「同じ返礼品でもポータルサイトによって価格や量に差が生まれる」という状態です。

ただし現状、「全く同一の品」であれば、ほとんどの場合で差はなく、もし価格や量に違いがあるとすれば、何らかの条件(産地、状態など)に違いがあるケースが多いため、一概に比較は出来ません。

比べにくいその違いを判定するよりは、「ポータルサイト」ごとの違いを理解し、自分にメリットのあるサイトから寄付を行うことをオススメします。

以下、主要なポータルサイトの特徴を紹介します。

※掲載自治体数は、2021年6月24日時点

各サイトのと特徴を解説

ふるさとチョイス

【掲載自治体数 1,788】

最大の特徴は、ふるさと納税ポータルサイトの中で一番の老舗サイトで、掲載自治体数、返礼品数が圧倒的に多いところです。

日本全国の自治体を網羅しているため、「自分の故郷や応援したい自治体が掲載されていない」ということはまずありません。会員登録をすることで、欲しい商品をまとめて表示できる機能や、過去の履歴を閲覧できる機能など、サイトの使いやすさでも定評があります。

デメリットを挙げるとするなら、他のサイトにあるような「ポイント還元」が無いところが考えられますが、「ふるさと納税」の本来の意味を追求するなら、それをデメリットと呼ぶには軽微な部分と感じるかも知れません。他サイトに比べ、決済方法も豊富です。

■決済手段
クレジットカード決済、コンビニ払い、R Pay、amazon Pay、d払い、メルペイ、Paypal、SoftBankまとめて決済、auかんたん決済

楽天ふるさと納税

【掲載自治体数 1,206】

楽天でふるさと納税をすることの最大のメリットは、他のサイトに比べて圧倒的なポイント還元サービスです。楽天のさまざまなサービスを組み合わせる条件で付与される「SPU(スーパーポイントプラグラム)」や「買い周りキャンペーン」、「毎月5と0のつく日」など、各種の還元キャンペーンとの組み合わせで、最大で30%になります。

日常的に楽天で買い物をしている方であれば、普段の商品購入と同じような感覚で、ふるさと納税を済ませてしまえます。また、「ふるさとチョイス」に比べれば、掲載自治体数が僅かに少ないとは言っても、おそらく違和感は感じないほどの掲載数です。

デメリットを上げるなら、寄付する際に楽天IDの作成が必須であること。また、「最大30%」の還元を受けようとする場合は、楽天のその他のサービス利用や、寄付のタイミングなど、数々の条件をクリアする必要がある点です。

■決済手段
クレジットカード(VISA、Master、JCB、Diners、Amex)、銀行振込、楽天バンク決済

さとふる

【掲載自治体数 926】

ソフトバンクグループが運営している「さとふる」の特徴は、大きく2つです。まず、他サイトに比べ「大容量」の返礼品が豊富です。

例えば、「豚肉」や「鶏肉」といった商品の量は、「1kg」という品はどのサイトでも見られますが、「5kg」、「8kg」といった量になると、他サイトでは、ほとんど選択肢はありません。
「大容量お礼品特集」などもあり、例えば食べ盛りのお子様がいるご家族であれば、非常に魅力的な品になるでしょう。

また、返礼品の到着が早いのもこのサイトの特徴と言えます。申込受付から発送管理までを「さとふる」が行っているのが理由です。
通常、申し込みから商品の到着まで、1か月~2か月程度かかることも多いですが、1~2週間程度で到着する品物もあります。

■決済手段
クレジットカード(VISA, MasterCard, JCB, AMERICAN EXPRESS, Diners Club Internationa)、「コンビニ決済」、 「PayPayオンライン決済」や「ソフトバンクまとめて支払い」、「au かんたん決済」、「ドコモ払い」、「ペイジー」

ふるなび

【掲載自治体数 576】

「ふるなび」の特徴を挙げるなら、「クラウドファウンディング型」の独自サービスを展開している点、Amazonギフト券によるポイント還元を受けられる点、そして家電の返礼品数が他サイトよりも多い点です。

ふるさと納税の大事な要素として、自分が納める税金の「納める相手」であったり、「税金の使用目的」を選べることです。

この「クラウドファンディング型」の納税方法だと、より細分化して応援したい相手や目的のために、大切な税金を届けることが可能です。
もちろん税額の控除や、お礼の品が届くことなど、本来のふるさと納税と変わりはありません。

また、Amazonギフト券によるポイント還元も、キャンペーンを実施している時期によっては、3%~7%といった
高額のポイント還元を受けることも可能です。

デメリットを挙げるとすると、ふるさとチョイスや楽天などと比べると、掲載自治体数がまだ少ないことです。

■決済手段
クレジットカード決済、PayPay残高決済

au pay ふるさと納税

【掲載自治体数 241】

今までに挙げたサイトに比べると後発で、まだまだ始まったばかりの「au Pay ふるさと納税」。最大の特徴は、auユーザーであれば、非常に手軽に利用することが出来る点です。
auかんたん決済を利用することも出来、au携帯電話の利用額に応じて貯まっていく「Pontaポイント」を、ふるさと納税に使うことが出来ます。2020年から、ポイントを使うだけではなく、寄付額の1%をPontaポイントとして還元されるサービスも始まりました。

デメリットは掲載自治体数がまだ少ない点。そして auユーザーでなければ、メリットの恩恵を受け難い点です。

■決済手段
クレジットカード決済、auかんたん決済

自分の意志で自治体を応援してみよう

現在、ふるさと納税の利用者が増加しているとはいっても、まだ利用率は納税義務者の8%程度とも言われています。つまり、まだまだこれから普及がされていく余地があり、各ポータルサイトのサービスも充実していくことが考えられます。

ふるさと納税を行っても行わなくても、納めなければいけない税金ならば、自分の意志で応援したい自治体を選んだり、毎年返礼品を楽しんでみるのもいいでしょう。たとえ僅かであっても、日常の生活費のコスト減少にも繋がり、ポイント還元も受けられるならば、やらない手はない、と思います。

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