【新型コロナ】東京都の重症者、目立つ50代の急増 1ヵ月前の2.5倍

 東京都は11日、同日新たに判明した新型コロナウイルスの感染者は614人と発表した。昨日の950人からは減少するも、先週4日の518人からは96人増加、22日連続で前週の同じ曜日を上回っている。また1ヵ月前と比べ50代の重症者が急増しており、変異株が若年層への毒性を強めていることを示唆している。

50代の重症者がここ1ヵ月で急増、世代別で最多タイに

 新たに感染が確認されたのは10歳未満から90代までの614人。年代別では20代が最多の208人、次に30代119人、40代が109人、50代64人。直近7日間の移動平均は733.9人で、対前週比126.1%の増加率となり、感染拡大が加速しつつあることを示している。

 「第5波」の入口に差し掛かったことが懸念される感染状況だが、年代別の数値をつぶさに見ると他にも心配な傾向がみられる。例えば重症者数だ。7月11日の重症者総数は61人でまだ病床を圧迫する数値ではないが、年代別の重症者を見ると50代が70代と並んでトップの20人になっている(60代は11人)。1ヵ月前の6月11日の数値は50代8人、60代15人、70代19人と報告されており、比較すると重症化する年代が若年層にも広がりつつあることが強く示唆されている。特に、50代が特異的に増えており、単純に比較すると1ヵ月前の8人から20人となっていて実に2.5倍に急増していることになる。

 現在、ワクチン接種は自治体分は高齢者優先、職域接種では若年層にも実施する体制で進められているが、50代へは全国的にもまだほとんど接種されていない。海外の研究から、変異株は若年層への毒性も強まっていることが分かっているだけに、改めて接種スピードをいかに高めるかが問われる事態になっている。

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