「体勢ぐちゃぐちゃ」なのに本塁打 鷹・柳田悠岐が語った“変態アーチ”のなぜ?

ソフトバンク・柳田悠岐【写真:藤浦一都】

「体勢はぐちゃぐちゃ」で2打席連続本塁打を放った柳田

■ソフトバンク 7ー4 オリックス(11日・PayPayドーム)

ソフトバンクは11日、本拠地PayPayドームで行われたオリックス戦に7-4で勝利した。首位オリックスとの直接対決で2連勝し、カード勝ち越しに成功。初戦に敗れて5.5ゲームに開いた差を3.5ゲームにまで縮めた。

この日もヒーローは柳田だった。前日の試合で決勝の逆転2ランを放っていた主砲は2点ビハインドとなった直後の6回に反撃の狼煙をあげる20号ソロ。初対戦となる宮城のスライダーに体勢を崩されながら、ボールを捉え、右手1本のフォロースルーで右翼スタンドまで運んだ。

さらに同点で迎えた8回には先頭打者として打席に入ると、ヒギンスのチェンジアップを捉えて右翼ホームランテラスに。この打席もタイミングを外されていたものの、高々と舞い上がった打球は長い滞空時間を経てテラス席へ消えた。勝ち越しの21号ソロ。2試合連発、2打席連発の驚弾に、スタンドは大歓声とどよめきに包まれた。

柳田は1本目の本塁打を「体勢はぐちゃぐちゃだったんですけど、奇跡で打てました」と振り返ってファンを笑わせると、2本目についても「体勢ぐちゃぐちゃだったんですけど、奇跡が起きました」。同じフレーズを繰り返し、ファンの喝采を呼んだ。

柳田が語ったスタンドインの理由「バットの軌道が良かった」

「体勢がぐちゃぐちゃ」と言いながら、なぜ、それが本塁打になるのか。柳田は「バットの軌道が良かった。そこだけかなと思います」と言う。タイミングを崩されても、体勢を崩されても“いい軌道”でバットをボールに対して入れることができれば、スタンドまで運べる。規格外っぷりが表れている。

初対戦となった19歳にの宮城を「めちゃくちゃいいピッチャーでしたよ。コントロールはいいし、ボールのキレもあるし、本当によく打てたなと思いますね」と称えていた柳田。その実力を認めたが故に「いいところで打てて良かったです」と、少しだけ表情が緩んだ。

この日は前日の三森、野村に続き、佐藤と若手3人がスタメン出場し奮闘した。お立ち台で「若いエネルギーが充満しているので、それを吸って吸ってパワーにしたいなと思います」と笑わせていた柳田。ソフトバンクの上昇に欠かせぬ主砲のバット。“変態弾”が出始めれば、いよいよ本領発揮となるか。(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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