国内外問わず標準装着が進むディスプレイオーディオ。簡単にいえばスマホと連携機能を強化したもので、ディスプレイ単体ではナビ機能すらも装備されないタイプも存在する。ユーザーにとっては、オプションで高額なナビを購入せずに液晶モニターが装備されるほか、スマホさえ持っていれば既存のナビと同じ感覚で使えるメリットがある。イイこと尽くめにも思えるが、ネガティブな面も多々あるのだった。一体どんな理由があるのか!?
ディスプレイオーディオの標準装備は嬉しいが、機能面に不満の声多数
ディスプレイオーディオの純正装着が多くのメーカーで進んでいる。かつてのカーナビとの一番の違いは機能にある。現在のカーナビはSDカードやHDDといった記録媒体に地図情報を記録しているうえ、CDやDVDの再生も可能となっており、いわばナビ単体でどんな機能も搭載している優れモノである。
対してディスプレイオーディオは、ナビや音楽を再生するにもスマホとの連携が必須となっている。USBケーブルやBluetoothでスマホと接続し、ナビアプリや音楽といったコンテンツを楽しむイメージである。
まとめると既存のカーナビはそれ一台で完結できるのに対して、ディスプレイオーディオはスマホがなければ使える機能はかなり限られるということである。
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スマホだけでなく、CDなど物理ディスク再生に対応を!
昨今のトヨタやホンダ、そして日産の多くの新車はディスプレイオーディオの新車装着率が上がりつつある。先にも述べた通り、ユーザーにとっては別途カーナビを購入する必要がないために、予算が抑えられるというメリットもある。
とくに若年層はカーナビよりもスマホのナビアプリを使用するユーザーが多いために、かなり便利という意見も散見されるのだった。
トヨタ意外のメーカーはユーザーが我慢!? ディスプレイオーディオの盲点とは!?
だが、その一方で高齢者層はそうはいかないのだ。まずスマホ普及率が進んでいるとは言え、「ディスプレイオーディオとの接続にもかなり苦労している人が多い」と都内近郊のトヨタをはじめとする各ディーラーは語っていた。
そしてもっとも多い意見が「CDやDVDといった物理ディスクの再生に対応していない」点にある。それに対応すべく、トヨタは新型ヤリスやヤリスクロスなどに別途CDプレーヤーをオプション設定しており、ユーザーの声に応えている状況である。
日産 新型ノートのメーカーオプションナビや新型ヴェゼル、あるいは新型シビックのメーカーオプションナビはどれもCDやDVDの再生機器をラインアップしておらず、「お客さんには我慢をしてもらう。あるいは持ち運びできるCDプレーヤーの接続をお薦めしている」というのが現状である。
そしてファミリー層からも同様の意見が上がっているという。例えば「後席モニターでDVDを再生したい」といったように、CDやDVDといった物理ディスクの再生機能はすべての購入層が欲しているのだった。
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物理ディスク再生機能など、幅広い選択肢を切望!
たしかにディスプレイオーディオは一見便利なモノであるが、ほかの選択肢も広げて欲しいというのが筆者の願いである。そう考えるとトヨタの対応は評価できるが、他のメーカーも同様の対応をするというのはかなり難しい問題でもあるのだ。
それだけに、ディスプレイオーディオの標準装着は大いにアリであるが、既存のクルマに当たり前のように装備されているCDプレーヤー程度は装着して欲しいと願うばかりだ。
【筆者:MOTA編集部 木村 剛大】