1日最大8区間乗れる! FDAの「夢の乗り放題プラン」を体験してみた(後編)

フジドリームエアラインズ(FDA)が、旅行会社2社とともに販売している、1日最大8区間の搭乗が可能で、3日間プランでは最大24区間に搭乗できる「夢の乗り放題プラン」。

筆者は、名古屋/小牧発着で3日間、実際に乗り放題を体験してみた。後編では2日目と3日目の様子をお伝えする。プランの内容やルール、計画の立て方については前編をお読みいただきたい。(前編はこちら

1日目は、名古屋/小牧〜花巻〜神戸と移動し、大阪市内で夕食をとり、三宮に宿泊した。2日目は午前10時発の便で松本へ向かう。

機体は花巻から神戸へ乗ってきたのと同じ、岩手県とのネーミングライツにより、「黄金の國、いわて。」号として運航している、ゴールドの9号機。「雲の下は景色がいいでーす」という外国人機長のアナウンスの通り、着陸時の景色は圧巻だった。

定刻より10分以上早く到着したおかげで、午前11時発の松本バスターミナル行きのバスに間に合った。日帰り観光では数十分の短縮でも嬉しい。結局、松本バスターミナルには予定より20分近く早く到着。とはいえ、空港行きのバスまでは約1時間半しかない。朝食を抜いていたのでまずは昼食。

早速、松本駅前の「からあげセンター」へ。名物の「山賊焼定食」を注文。「山賊焼」とは、鶏むね肉かもも肉を、にんにくや生姜を使ったたれに漬け込み、片栗粉を場まぶして油で上げた、松本の名物料理。

キャベツを添え、カラッと上がった大きな鶏肉のほか、ポテトサラダ、スープ、ご飯が付いていてボリューム満点。テーブルにはマヨネーズなどが置いてあり、途中で”味変”もできるので、思いのほか、軽く平らげることができる。どちらかというと、ご飯が足りない。

満腹で外に出ると小雨が降ってきたので、駅ビルでお土産を物色。軽く仕事をこなしていると、あっという間に空港に戻る時間だ。

松本空港からは、ネイビーブルーの13号機で福岡へ。1時間40分のロングフライト。寝不足かつ満腹なので、襲われた眠気に逆らわず、睡眠の時間とする。

福岡空港から市内へは、地下鉄が便利。本数も多く、バスと比べて時間が読めるのでありがたい。空きっ腹にヘビーなものを食べてしまったので、福岡ではお土産を物色することに。

7月にリニューアルオープンしたばかりの如水庵博多駅前本店で、筑紫もちや水羊羹を購入したほか、駅ナカでお買い物。市街地まで行かずとも、福岡空港にもかなり多くの名店が出店しているほで、ラーメン滑走路や搭乗口近くの一蘭でラーメンを平らげるというのもいいかもしれない。

福岡からは、イエローの7号機。シャトレーゼの玄米パフ入りチョコクランチとハラダ製茶の緑茶を楽しんでいると、1時間強のフライトはあっという間。

最終日の3日目。掛川駅近くのホテルから駅まで歩き、FDA利用者専用の無料バスに乗る。静岡空港からは、静岡駅や掛川駅、島田駅、藤枝駅、新金谷駅・金谷駅へバス、浜松駅へ予約制タクシーが運行しているが、FDA利用者専用の無料バスが最も安価な移動手段だ。予約は不要で、フライトの発着に合わせて運行している。静岡空港近くにはホテルがなく、移動もタクシーに限られるので、宿は掛川駅周辺にするのがコスパが良い。

掛川駅からは約40分で静岡空港に到着。札幌/丘珠行きの搭乗手続きを済ませる。札幌では空港移動があるため、当日に乗る全便の搭乗手続きができなかった。

乗ったのはグリーンの11号機。4号機と11号機はいずれもグリーンだが、4号機はエンブラエル170型機、11号機はエンブラエル175型機で、機種が異なっている。

静岡〜札幌/丘珠線は、時刻表上では所要時間105分で最長路線。ちなみに最短路線は神戸〜高知線の45分だ。3日間全て、各地はどんよりとした曇り空。東北地方で雲の合間から地上が見えたが、その後はまた雲海を飛行。札幌も雨が今にも降り出しそうな天気。

丘珠空港は、札幌市内にある小規模な空港で、FDAが唯一、ジェット機で乗り入れている。新千歳空港と比べて市内中心へのアクセスが良く、札幌駅までバスで30分。空港もこじんまりとしているので、新千歳空港よりも楽だ。札幌駅行きのバスに乗り、途中、ANAクラウンプラザホテル札幌で降車。北海道産小麦を使ったラーメンが人気の、「Japanese Ramen Noodle Lab Q」へ5分ほど歩く。人気店だけに、店内は満席だったものの、順番を待っている人はおらず、5分ほどでテーブルについた。

ルスツもち豚チャーシューと天草大王ともち豚を使った2種類のワンタン、三つ葉がのった「醤油ワンタン麺」(1,450円)は、あっさりとしながらもコクのあるスープも特徴的。あっという間に平らげ、次に進む。

北海道といえばスイーツ。10分ほど歩き、六花亭札幌本店へ。1階でお土産を物色し、2階の喫茶スペースへ。はちみつがかかったチーズケーキとカフェラテを20分ほどと早足で楽しみ、札幌駅からは午後1時22分発の快速エアポートで新千歳空港へ。搭乗手続きをすると、バスで搭乗するので早めに搭乗口へ向かうよう促される。

ラストとなる機材は、最新機材のバイオレットの16号機。ここまで進めばこの旅程はほぼ完結したようなもの。山形からは同一機材で名古屋/小牧へ向かうので、乗り遅れる心配はない。

短時間のフライトにもかかわらず、山形には20分以上早く到着。定刻であれば乗り継ぎ時間は30分で、空港の外に出る余裕はないと思っていたが、楽勝。山形空港の待合室には売店がなく、一度外に出る必要がある。空港の外観だけ撮影し、売店でお土産を購入。旬を迎えたさくらんぼもあった。

最終便の名古屋/小牧行きは定刻より若干早く出発。乗客数はこれまで乗った8便で最も多いように感じた。

ちょうどおやつ時。機内では青柳総本家のういろうが出た。FDAでは一部路線や便で、就航先の製菓会社の茶菓子を配布している。ウェブサイトでは対象便ではなかったのでラッキー。緑茶も、ハラダ製茶の温かいお茶と紙パック、伊藤園の「おーいお茶」の3種類のいずれかをサービスしており、路線ごとに異なっている。温かいお茶は、長距離路線でしか飲めない。

3日合わせて8区間を搭乗したが、行った先でどう過ごそうか考えながら乗るのはとても楽しかった。1日1区間にして、3日間で2都市を楽しむのも面白いだろうし、筆者のように就航地ではないところに住んでいれば、起点となる都市で数日観光してからチャレンジするのも良いだろう。今回のルートのように、1日2〜3便乗って、食事も観光も楽しみたいというわがままな人は、事前に何をどこで食べたいか、きちんと調べておきたい。特にコロナ禍で、公共交通機関では減便していたり、時短営業や休業となっている店舗もあるが、そういった点も考慮しておこう。

コロナ禍だからこそ生まれた、「夢の乗り放題プラン」。飛行機にひたすた乗る、グルメを堪能する、企業出張、使い方は自由自在。みなさんは、#FDA乗り放題プランでなにする

■搭乗したフライトと運航実績

(7月5日)

FDA351 名古屋/小牧(定刻07:10/実績07:11)=花巻(定刻08:20/実績08:18)

FDA846 花巻(定刻14:50/実績14:59)〜神戸(定刻16:30/実績16:40)

(7月6日)

FDA232 神戸(定刻10:00/実績09:56)〜松本(定刻11:00/実績10:47)

FDA205 松本(定刻14:25/実績14:20)〜福岡(定刻16:05/実績15:55)

FDA150 福岡(定刻20:00/実績19:51)〜静岡(定刻21:25/実績21:13)

(7月7日)

FDA171 静岡(定刻09:35/実績09:34)〜札幌/丘珠(定刻11:20/実績11:17)

FDA603 札幌/千歳(定刻14:35/実績14:28)〜山形(定刻15:50/実績15:29)

FDA386 山形(定刻16:20/実績16:14)〜名古屋/小牧(定刻17:30/実績17:19)

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