新型コロナウイルスワクチンを巡り、福田富一(ふくだとみかず)知事は13日の定例記者会見で、国から8月2~15日(第11クール)に栃木県へ配分されるファイザー製ワクチンが、市町の希望量の約45%にとどまることを明らかにした。県は希望する県民の11月末までの接種完了を目指しているが、福田知事は「完了できるかどうかは国の供給状況による」と説明した上で、引き続き市町と連携して接種拡大に取り組む考えを示した。
65歳以上の高齢者向けに7月4日までに配分された供給量(第1~8クール分)は希望量の8割以上だったが、一般を対象とする同5~18日(第9クール)の供給量は希望量の6割、同19日~8月1日(第10クール)は4割程度と大幅に減少している。
第11クールの栃木県配分は144箱で、16万8480回分に相当する。国の基本配分計画によると、8月16~29日(第12クール)に配送されるのは126箱、14万7420回分となっており、増減は今後調整される。
県は今月5日から、市町に接種計画の聞き取り調査を実施した。県内の接種のピークは9月末になると見込むが、国の計画では配分量が不足する懸念があり、9日には国に対して確実に供給するよう要望書を提出。11日の全国知事会でも同様の要請を行った。
接種計画の見直しを迫られる市町も出ている中、福田知事は「接種スピードを加速させてきたタイミングで供給量が減少するのは遺憾だ」と不満をあらわにした。
一方、県の大規模接種会場では利用者の半分程度が宇都宮市民であるとして、同市に配分されているワクチンを活用し、済生会宇都宮病院と連携して早期に新たな接種会場を開設する方針を改めて示した。