「糸魚川小唄」を習得 糸魚川東小で普及活動 保存会会員5人が指導、最後は輪踊り

 糸魚川小唄保存会(中川一成会長)は13日、糸魚川市立糸魚川東小(猪又千恵子校長)の3年生36人に、1時間30分にわたり糸魚川小唄の踊り方を教えた。

 糸魚川小唄は1928(昭和3)年、大火からの復興を願い制作され、郷土の文人・相馬御風が作詞した。市民からの要望を受けその後、同市出身で藤間流師範の故・藤間千鶴(本名・白澤千鶴子)さんが振り付けをした。

 同会は、最近では踊る機会の少なくなった糸魚川小唄の後世への伝承を掲げ、市民有志が2018(平成30)年4月に発足。正しい唄、踊りの伝承を目的に活動してきた。

 同校3年生は、総合的な学習の一環で地域の歴史や文化を学習している。コロナ禍の影響もあり、同会の小学校での普及活動は今回が初めて。白沢惠子事務局長(78)は「子どもたちに伝える機会がかなった」と感激し、同校の協力に感謝した。

「糸魚川小唄保存会」の会員が子どもたちに踊り方を伝えた

 講師は金子慶子副会長(80)ら会員5人。前半では「糸魚川けんか祭り」をイメージした振り付けに込められた意味、「祭りだ 祭りだ 稚児の舞 山から見下ろす 大海原の日本海 お神輿(みこし)かついで ワッショイ ワッショイ 人の波」を習い、名調子に乗り反復した。後半は2班に分かれ練習。最後に大きな輪になり踊った。

 「踊る時はにこにこ楽しく」と指導を受け、児童は熱心に参加。見る見るうちに上達し、「最初は難しいと思ったけれど、最後はうまくできて良かった」などと話した。

 会員は子どもたちの頑張りをたたえ、「うちに帰ったら家族に伝えてほしい」と願った。

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