〈73〉コロナ禍での緑内障 定期受診の継続必要

 コロナ禍では検診を控えがちになります。検診結果が要受診であっても自覚症状がなければなかなか受診できない方も多いようです。この1年で検診だけでなく持病を定期受診する患者数も変化しました。

 緑内障の定期受診をしていたある患者さんについて書きたいと思います。80代の男性です。一昨年11月から受診をしなくなり、昨年の9月に受診に来られました。お話を伺うとすでに点眼はなくなっていたが、何も変わらないからこのまま止めたい、ということでした。

 自覚症状の悪化がないのは良いことですが、治療中には左右の眼圧が15~18ミリメートル水銀柱と正常範囲内でおさまっていたのですが、25ミリメートル水銀柱が高くなっていました。

 ここで緑内障について少し説明します。緑内障は目の神経の病気です。眼圧が影響するとされ、10~21ミリメートル水銀柱が正常範囲とされています。緑内障の症状は視野障害です。見える範囲が狭くなってきます。見えにくいなどの自覚症状がある頃にはすでに進行していることがあります。緑内障と診断されたら、点眼で眼圧を下げることで進行を抑制します。進行を抑えるのが治療であるため、早めに見つけて治療を行い、一生、目で困らないようにすることが治療の目標です。

 急激に発症する緑内障もありますが、ここでは省かせていただきます。さてこの男性はどうなったかといいますと。改めて緑内障について説明し、進行していないか検査をしました。そして継続が大切と理解していただき、次の診察の時にはしっかり眼圧も下がっていて、ひと安心となりました。

 コロナの感染も怖いですが、持病がある方が治療をせずに過ごすのもまた不安なことです。

 患者さんが不安なく受診していただけるように感染予防には注意しています。病院内に入る時には、検温、手の消毒、マスクの着用、院内の換気や消毒、スタッフもマスク、検温、消毒を徹底しています。引き続き定期受診をお願いします。(友寄勝夫、与那原中央病院・眼科)
 
 

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