阪神・佐藤輝よ球宴アーチで見せてくれ!「タティス・ステップ」注目スポットは三塁ベース前付近

注目スポットは三塁ベース前付近だ

今年の球宴(16日・メットライフ、17日・楽天生命)にファン投票での選出が決まっている阪神・佐藤輝明内野手(22)は、本塁打競争にも全セの代表として出場する。期待されるのはアーチの量産だが、テレビ関係者が熱視線を送っているのが、球宴本番で本塁打を放ってベースを周回する際のしぐさ。三塁前で必ず減速する姿は、あの大物メジャーリーガーを彷彿させるという。年の一度のお祭り舞台で、海の向こうの超一流男の流儀をさらに取り入れるのか、注目が集まっている。

球宴本塁打競争でもファンのお目当ては虎の怪物新人だ。両リーグ最多のファン投票1万7027票の得票を得た佐藤輝は、試合前に行われる本塁打競争の全セ代表に決定。エンゼルス・大谷が出場した、米オールスター戦の本塁打競争もチェックしたという佐藤輝は「格が違いますね。飛距離とか…」と感化された様子で「ちょっとでも近づけるようなバッティングをしたいと思います。選んでいただいたからには打てるように、一生懸命バットを振りたい」とコメントした。

そんな佐藤輝にはアーチを量産するたびにテレビ関係者の間で話題になっているシーンがある。本塁打を放った際のベース周回シーンだ。シーズン途中からある傾向が見られるようになっているという。

注目スポットは三塁ベース前付近。佐藤輝はそこに到達すると、100%の確率で余韻に浸るかのように急減速。細かくステップを踏みながら三塁ベースを踏むとほぼ直角にターンし、本塁へと向かう。

この姿が現在ナ・リーグトップ、28本塁打のパドレス・タティスの本塁打ルーティンと酷似しているのだ。テレビ局関係者が「絶対、意識していますよ」と話す通り、佐藤輝も試合前のリラックスタイムはメジャーリーグをテレビ観戦で過ごすことが多いという。参考にしている打者の一人にタティスの名前を挙げたこともあった。

ただし、一連の動作でひとつだけ〝自重〟しているものがある。本家は三塁手前でビデオの巻き戻し再生のように一度、バックステップを踏んでから、三塁ベースをターンする。この〝タティス・ステップ〟を球宴でアーチを放った際は、披露してもらいたいというのだ。

前出関係者は「メジャー中継では今、タティスや大谷などの注目選手には打席時だけでなく、走塁の姿やベンチの表情など常にチェックしつつ、通常の中継映像もオンエアし続けるスタイルがトレンド」と話す。今年はエンゼルス・大谷の出場試合でNHK・BSが採用。メインの中継映像とは別に、画面の隅で生中継した〝専用カメラ〟で一塁に出塁した大谷が、3冠王の実績もあるタイガースの一塁手・カブレラに「最近どうだ?」とあいさつ代わりに股間をグラブで叩かれた場面が生中継され、実況アナが「あ~これは…」と絶句するハプニングもあった。公共放送だけに下ネタ談義が展開されることはなかったが、こんなハプニングこそ専用カメラの狙いでもある。

〝本家〟に遠慮してか、プロ1年生の立場を自覚してか、これまでの公式戦では〝タティス風〟の周回にとどめてきた佐藤輝だが、お祭り舞台だからこそ、ある程度のパフォーマンスは許される。球宴でも〝主役〟が確実視される男は夢の舞台でタティス・ステップを刻めるか。

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