児童同士のトラブルに暴力団介入 説明せず、面会に応じず… 大和市教育長の対応に高まる批判

大和市役所

 大和市北部の市立小学校で昨年、保護者の暴力団関係者が児童間のトラブルを巡って関係する保護者に土下座を強要した問題で、教育長の対応に保護者の批判が強まっている。保護者らは当時の学校側の対応に問題があったとして教育長に説明を求め続けているが、応じていない。

 保護者の一人は「教育行政のトップとして説明する責任があるはず。こうした状況では学校側との信頼回復は難しい」と訴える。

 問題は昨年8月、保護者の暴力団関係者が「自分の子どもがいじめられている」などと学校側に訴えて顕在化した。

 関係者による話し合いが校内で行われたが、12月に暴力団関係者が自宅に関係する保護者を呼び出して怒鳴り、土下座を強要した。暴力団関係者は今年2月に強要容疑で逮捕され、その後、執行猶予付きの有罪判決が出た。

 逮捕を受けて、今年3月に学校側が開いた臨時説明会で複数の保護者に被害が及んでいた実態が明らかになった。「校長らの不適切な対応」が原因との問題提起が相次ぎ、一部の保護者は4月に市教委に実態解明を求める意見書を出した。

 しかし、市教委は内部で検証結果をまとめたものの「児童が特定される」などの理由で公表しないまま現在に至っている。

 ある保護者は「市教委の担当者は『個人情報に関わる』の一点張り。校長らに指導したと言うが、どこに問題があったのかを示してほしい。このまま幕引きは許されない」と憤る。現在は他校に勤務する当時の校長らの処分を求める声も上がっている。
 
 保護者は柿本隆夫教育長に面会を求めているが、応じていない。神奈川新聞社の取材にも柿本氏は「応じない」としている。

© 株式会社神奈川新聞社