【東京五輪】なでしこジャパンの新10番・岩渕真奈に課せられた女子サッカー人気復活の〝使命〟

岩渕真奈

新10番が救世主になる!? 東京五輪に臨むサッカー女子のなでしこジャパンは国際親善試合(14日、京都)でオーストラリアと対戦し、今大会から10番を背負うFW岩渕真奈(28=アーセナル)のPK弾で1―0と勝利した。

格上の強豪オーストラリアを相手にPKを決めた岩渕は「蹴りたいなと思っていたら(MF長谷川)唯(24=ACミラン)が(蹴ってと)言ってきたので蹴りました」とし、10番については「特別な番号なのは間違いない。意識しないようにしてますが、たくさん言われて少しずつ…」と、責任の重さを実感しているようだった。

そんな岩渕に新たな使命が課せられた。あるマネジメント会社の関係者は「やっぱり岩渕が活躍しないと女子サッカーが盛り上がらない。澤(穂希)がいなくなってから人気も低迷している中、岩渕がなでしこをメダルに導くような活躍をすれば…。彼女はビジュアルもいいから、女子サッカー人気の復活につながるだろう」と指摘した。

なでしこジャパンが2011年ドイツ女子W杯優勝すると女子サッカーは一大ムーブメントを巻き起こした。その後も12年ロンドン五輪銀メダル、15年カナダW杯準優勝と代表の活躍で注目を集めてきたが、第一人者の澤が引退すると、急失速。16年リオデジャネイロ五輪は出場権を逃し、19年フランスW杯もベスト16で敗退し、女子サッカー人気も下火となった。

もちろん、W杯優勝メンバーの岩渕には以前から女子サッカーのアイコンとなることが求められていたが、大舞台での勝負強さが足りずに大ブレークまでには至っていない。ただ母国開催の五輪でなでしこジャパンをメダルに導くプレーすれば、背番号と合わせて名実ともに澤の後継者として認知。再び女子サッカーが脚光を浴びることにつながるわけだ。

なでしこジャパンの高倉麻子監督(53)もかねて「どれだけ女子サッカーのことを意識して五輪を戦えるか」と話しており、今秋から始まる女子のWEリーグを軌道に乗せるためにも、本番で岩渕の好パフォーマンスが期待されている。

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