ロッテ小島は「実家に来たことある」 西武高橋が制した同学年“甲子園V腕対決”

西武・高橋光成【写真:宮脇広久】

7回4安打無四球3失点「点を取ってもらった直後の失点が反省点」

■西武 8ー3 ロッテ(14日・メットライフ)

西武の高橋光成投手が14日、本拠地メットライフドームで行われたロッテ戦に先発し、ハーラートップに1差の8勝目(4敗)を挙げた。7回を投げ、4安打無四球3失点(自責点2)の好投。自身初の開幕投手を務めた今季はひと皮むけた印象を与える。チームは故障者続出で球宴前の日程を5位で終えたが、反転攻勢の原動力となるべき存在だ。

この日の高橋は、味方打線が一挙4点を先取した直後の4回、3連打で1点を返され、さらに安田の中前適時打に中堅手・岸の悪送球が絡んで計3点を失った。あっという間に1点差。それでも「点を取ってもらった直後に3点取られてしまったのは反省点ですが、自分としては試合を作ることができましたし、満足しています」と語った通り、5回以降の3イニングはいずれも3人ずつで片づけた。

辻監督は「4回だけは高めに行き、味方の余計なミスもあって点を取られたが、その後をしっかり抑えてくれて非常に良かった」と称えた。

同い年の相手先発・小島和哉投手との投げ合いを制した。高校時代、高橋は群馬・前橋育英、小島は埼玉・浦和学院で1年生秋からエースとなり、関東大会などで対戦。小島は2年生春の選抜、高橋は同年夏の甲子園で全国制覇を成し遂げた。3年生秋の18Uアジア選手権(タイ・バンコク)では、高校日本代表のチームメートとして戦った。

小島との直接対決は1勝1敗「仲が良かったので勝ててうれしい」

プロ入り後の2人の直接対決は、昨年7月22日には小島に軍配が上がっており、これで1勝1敗。高橋は「(小島は)ウチ(群馬の実家)にも来たことがあるほど仲が良かったので、勝ててうれしい。(これから先は)全部勝ちたいですね」と笑った。

とはいえ、高橋に期待されるものはもっと大きい。この日、立ち上がりから140キロ台にとどまっていたストレートの球速が、6回になって150キロを超え、MAX152キロを2度計測した。7回98球で降板したが、今季チーム初完投に挑戦してほしかったほど余力をうかがわせた。昨季も西武投手陣の完投は、9月8日のオリックス戦で9回先頭打者に初安打を許すまでノーヒットノーランに抑え、結局1安打完封した高橋の1度だけだった。

底知れない潜在能力を感じさせる右腕。侍ジャパンから声はかからなかったが、今季が日本を代表する投手へ駆け上るきっかけの年になってたとしても不思議ではない。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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