国民文化祭 2025年度開催地 長崎県が内定 知事「地域活性の契機に」

国民文化祭開催の内定書を中村知事に手渡す都倉長官(左)=文化庁

 文化庁は14日、国内最大の文化の祭典、国民文化祭(国文祭)の2025年度開催地に長崎県が内定したと正式に発表した。同日、中村法道知事が文化庁を訪れ、都倉俊一長官から内定書を受け取った。本県開催は初めてで、第40回の記念の国文祭となる。全国障害者芸術・文化祭(芸文祭)が併せて実施される。
 中村知事は内定式後「独自の文化を育んだ長崎らしい国民文化祭になるよう全力で準備を進め、地域活性化の大きな契機にしたい」と抱負を述べた。
 25年は被爆80年をはじめ、県美術館や長崎歴史文化博物館の開館20周年、中国総領事館40周年、長崎空港50周年など多方面で節目の年となる。県は国文祭、芸文祭を通して文化と平和の尊さを広く発信し、観光振興や国際交流、若者のふるさとへの愛着醸成などにつなげたい考え。
 国文祭は天皇陛下が出席される四大行幸啓の一つ。国と開催地の自治体などが主催し、1986年度から都道府県持ち回りで開いている。県は開催期間を10~12月の3カ月、参加者を200万人規模と想定。25年は大阪万博も開催予定で、県は万博と併せたインバウンド効果も期待している。
 期間中は合唱やオーケストラなどの大会、地域の特色あるプログラムの発表、シンポジウムなどを全国規模で発表、交流する。
 内定を受けて県は同日、文化芸術分野などで包括連携協定を結んでいる東京芸術大に国文祭成功に向けた協力を要請。澤和樹学長は長崎新聞の取材に「長崎は異国情緒を含め、他にはない文化の薫りがある。連携協定を充実させて、お手伝いしていきたい」と話した。

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