大本命は19号車。スーパーGT第4戦もてぎ直前予想【坂東マサの『俺に書かせろ!』/第3回】

 レーシングプロジェクトバンドウの代表として国内トップカテゴリーであるスーパーGT GT500クラスに参戦しつつ、青年実業家として様々なチャレンジを続ける坂東正敬監督。そんなマサ監督が日々のレースや、実業家としての活動のなかで、面白いと思ったこと、取り組んでいることについて、自ら筆をとります!

 第3回目はスーパーGTとしては2カ月ぶりの開催となる第4戦ツインリンクもてぎ大会直前ということで、第4戦の本命予想や、宮田莉朋選手のお父さまとの初対面のときのエピソード、モータースポーツビレッジの続報などなど、今回もボリュームたっぷりでお届けします。

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 押忍!坂東マサです。

 いやぁ……東京オリンピックの無観客開催、MLBの大谷翔平選手の活躍など、日々スポーツ関連の話題が絶えない日本ですが、そろそろモータースポーツが盛り上がる日が近づいてると信じて日々努力しております。

 さて、待ちに待ったスーパーGT第4戦もてぎ大会が今週末に開催されます。

 早く梅雨が明けしてほしいですね……(このコラム掲載時にはすでに梅雨明けかな?)。

19号車 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/宮田莉朋)

 第2戦富士から約2カ月が経ちましたが、6月にはツインリンクもてぎでGT500、GT300クラスのヨコハマタイヤユーザーが参加するテストがありました。

 スポーツランドSUGOではダンロップタイヤのテストがあったそうです。さて、これらのテストの結果が第4戦の結果にどのように直結するかが楽しみですね。

 第4戦で問題となるのは、7月中旬の気温と路温です。もちろん両方高めで想定していますが、うーん……難しい。毎年、冷やし中華の季節とともにミシュランが来ると言われていますし。正直、もてぎラウンドはまったく予想がつきません。

 話は変わりまして、モータースポーツビレッジの続報です。我々レーシングプロジェクトバンドウのガレージの場所も決まり、図面などを見せてもらっている状況です。

 テラスも作り、そこから富士スピードウェイを見ることができるとか。オーナーズミーティングもできるくらいの駐車場もあるとか、ないとか。お隣さんのガレージには食堂ができるとか? ワクワクは止まりませんが、まだ見積書は見ていません(悲)

静岡県小山町で建設が進むモータースポーツビレッジの完成イメージ図。左手前側が富士スピードウェイだ。

■宮田莉朋選手のお父さまと、趣味を極める国本雄資選手

 さて、前回の予告からみなさまが気になってる宮田莉朋選手のお父さまのお話です。

 最初のご挨拶に来られた際に差し入れで高級なお菓子を持ってきてくださいました。10個も頂いたのですが、「僕のチームは10人ではないですよ!」と言うと、次の富士ラウンドではなんと30個入りの、駄菓子(ビッグカツ)を持ってきてくださいました。次のもてぎでは何を持ってきてくださるのでしょうか?

 莉朋選手のお父さまは、常にチャレンジをしている方です。なんと……インタープロトのステアリングを握ったことがあるとか! なかなかいないですよ! インタープロト運転経験者。

 Hitotsuyama Racingの一ツ山さんと仲が良いので、19号車のピットよりも一ツ山さんのところにいるらしいです。こんなに個人情報を出してしまってすいません(汗)

 さて、そんな莉朋選手が、第2戦富士でポールポジションを記録した予選Q2のアタックを分析しました。彼のタイヤの熱の入れ方はすごかったです。内圧とタイヤ温度がアタックに素晴らしい値になってました。幸運にもトヨペット100Rコーナーで向かい風だったこともあり、ダウンフォースが増し、素晴らしいタイムをたたき出すことができたのでした。

ポールポジション獲得を喜ぶ国本雄資と宮田莉朋(WedsSport ADVAN GR Supra)

 話は変わりますが、国本雄資選手がピアノを弾けるということを最近知りました。国本選手はスキーとゴルフが一流クラスだと聞いていましたが、まさかピアノも弾けるとは。手先が器用ってことは、シフト操作も丁寧なんでしょうね……。

 最近の国本選手ですが、ウクレレを練習してましたよ。楽器のほかにカメラも好きですし、国本選手は本当に多趣味な方です。

 ちなみに、僕は空手と剣道を習い、団地でポケバイ乗ってました。育ちが違いますね……。

宮田莉朋のQ2アタックを見つめる国本雄資(WedsSport ADVAN GR Supra)

■第4戦もてぎの本命は19号車

 さて、週末に迫ってきた第4戦もてぎの本命予想ですが、GT500は19号車 WedsSport ADVAN GR Supraが大本命です。

 灼熱のタイラウンドを得意としてる19号車ですが、タイのチャン・インターナショナル・サーキットと似たストップ&ゴー型のコースレイアウトで、なおかつ比較的フラットな路面ということで、国内ではもてぎを得意なサーキットにしています。

 毎年最終戦の舞台となるので、全車サクセスウエイトを積まない『ノーウェイト』での開催となるのですが、2020年と2021年シーズンは海外戦の代替となるため、シリーズ中盤に組み込まれています。

 GT500は今回も予選から3メーカーによる激しい戦いが予想されますが、サクセスウエイトの10kg=0.1秒ロス、ということになりそうですかね。さらに、GT500は今回、タイヤ無交換で走りきるのは難しいのではないかと思います。抜きずらいサーキットなので各車予選重視の戦略となりそうです。ということで、2016年の第7戦タイの再来で、19号車が予選から大本命と予想します。

 対抗馬はライバル全車じゃないでしょうか? もてぎの前に第3戦鈴鹿があれば、もっとウエイトを積むクルマもあったと思うので、予想もしやすかったはずですが、第2戦富士から約2カ月レースがなかったこと、そして気温、路温が高いコンディションとなると、まったく想像ができません。

 一方、GT300クラスの本命は6月のもてぎテストで好タイムをマークしていた88号車 JLOC ランボルギーニ GT3(小暮卓史/元嶋佑弥)だと考えています。対抗馬は、4号車 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也)と65号車 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟)だと予想いたします。

2016年の第7戦タイ。ポールポジションからスタートするWedsSport ADVAN RC F(関口雄飛/国本雄資)

 さて、またまた話が変わります。すいません。

 平川亮選手がWEC世界耐久選手権のハイパーカーのテストに行っていましたね。個人的にすごく応援してる選手なので、是非来年はレギュラーシートを手にしてほしいです。そして莉朋選手もWECに行って、日本人トリオが見たいなぁ……。

 サッカーも野球もそうですが、日本人スポーツ選手が世界で活躍すると、テレビや新聞のニュースに取り上げられ、新しいファンが増えて、スポーツが盛り上がります。まずは、選手に興味を持ち、どんな生い立ちなのかを調べて、その選手を応援したくなったりですね。

 最近のモータースポーツで言えば、F1で角田裕毅選手、WRCで勝田貴元選手、そしてWECでは中嶋一貴選手、小林可夢偉選手が、それぞれ世界のトップカテゴリーで活躍しています。スーパーGTのレベルの高さも、彼らが世界のモータースポーツファンに伝えることによって世界から注目されるのでは、と考えています。

 サッカーでも、アンドレス・イニエスタ選手が日本でプレーすることで、欧州の選手も日本のリーグに興味を持ってきています。そういったかたちで日本のモータースポーツを、もっともっと、みんなで盛り上げたいです。みなさまも一緒にモータースポーツをメジャーにしていきましょう!

 さて、今週末のもてぎ戦が本当に楽しみです。2020年第4戦ではクルマが飛んできた記憶がありますが……。

 次回となる第4回は『19号車連続ポールポジション!』、『ポール・トゥ・ウインの裏側!』、『宮田選手の嫌いなトマト!』の3本立てでお届けしたいなと思います。

 お楽しみに!

第4戦もてぎでは、2度目のポールトゥウィンとなるか?

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