「勉強になりました」 元ロッテのBC栃木・成瀬が脱帽、ファンとリアル野球談義

「パーソル パ・リーグTVグループ観戦ミーティング2021 第2弾」の様子【写真提供:PLM】

NPB通算96勝の成瀬が6・29のオリックス対ロッテをファンと楽しんだ

「パーソル パ・リーグTVグループ観戦ミーティング2021 第2弾」が6月29日に開催された。ロッテ、ヤクルト、オリックスとNPB3球団に在籍して通算96勝をマークし、現在はBCリーグ・栃木ゴールデンブレーブス投手兼投手コーチを務める成瀬善久が野球ファンとオンラインで交流した。

4月に行われた第1弾に続き、今回もパーソル パ・リーグTVのプラットフォーム上にシスコシステムズ合同会社のWeb会議システム「Webex」を統合した「グループ観戦機能」を活用。成瀬とMCの南隼人さんは、参加した野球ファンがそれぞれ待機する各グループルームをイニングごとに訪問。一緒に京セラドームで行われたオリックス対ロッテを観戦しながら会話を楽しんだ。

今回のイベントでは成瀬、南さんのパソコンにハイエンド Web カメラ「Webex Desk Camera」を使用し、ファンとの生き生きとしたコミュニケーションを実現した。「Webex Desk Camera」は複数人を映すことができる超広視野角のカメラで、ノイズキャンセリング機能を搭載した高音質マイクを内蔵し、クリップ仕様で装着も簡単だ。

この日は1回表からロッテが得点を重ね、中盤以降にオリックスが反撃する展開。試合が動くたびに生まれる成瀬と南さんの興奮が参加者にもクリアに伝わって、リモートながら一緒に球場で見ているかのようだった。

6回裏にオリックス杉本裕太郎外野手がこの日2本目のホームランを打った場面では「すごいなあ、ラオウ。泳いでいたように見えたけれど(スタンドに)いったと思いました」と成瀬は驚きを隠せず。勢いづくオリックス打線に参加者からも感嘆の声が漏れ、試合のおもしろさを共有していることがうかがえた。

ロッテ佐々木朗には「球団の段階を踏んで育てたい思いが伝わる」

成瀬は試合後半に男性グループを訪問。オリックスが追い上げ始め、試合のターニングポイントを迎えたこともあり、「(ロッテの先発)二木はもう1イニング投げないといけなかったですが、ベンチとしては勝っているから(中継ぎに)代えたかったのかな」と7回から継投を選択したロッテについてファンと考察。その後も配球など本格的な野球論を交わした。

ロッテがチャンスを迎えた9回表には、女性グループに参加。ロッテ和田康士朗外野手の俊足ぶりに出演者、参加者ともに盛り上がると、オリックス平野佳寿投手が好フィールディングで併殺を奪った場面では「おー!」とさらに大きな歓声が。1球ごとにリアクションを取りながら手に汗握る展開を楽しんだ。

試合中は様々なテーマの野球談義に花を咲かせた。男性グループからはロッテ佐々木朗希投手の160キロを見てみたいという声があがった。「横山陸人投手のように佐々木朗投手を中継ぎで起用しないのでしょうか」との質問に、成瀬は「まだ体のタフさでは弱いのでは。先発したあとに(出場選手登録を)抹消しているし、球団の段階を踏んで育てたいという思いが伝わります」と解説していた。

成瀬と同じ栃木出身の女性グループとは、地元民だからこそ通じるローカルトークがきっかけとなりあっという間に打ち解けた雰囲気に。女性がお酒を手に現れると、南さんが「乾杯の発声をお願いします!」と提案。「乾杯!」の掛け声で画面上には成瀬、参加者の笑顔が広がった。

別のグループでは、女性が「もっとBCリーグを盛り上げるにはどうすればいいと思いますか」と成瀬に質問。観戦バスツアーや選手応援シートなど女性側から次々とアイデアが寄せられると、ファンサービスに熱心な成瀬は「左投げの僕を見てもらいやすいように一塁側の内野席にファンを招待していたんです」とロッテ時代の経験を語っていた。

「ファンの考えを聞けて、勉強になりました」

「みんな濃いなあ、キャラクターが」と冗談を交えながら笑顔で交流イベントを終えた成瀬に感想を聞いた。

――グループ観戦機能でファンと対話してみて
「ファンから直接意見を言われるから『こういう目で見ているんだ』と知ることができた。逆にこうやって意見を言えるってすごいと思います。みんな自分の思うことを伝えてくれるじゃないですか。野球への熱量がすごいなって思います」

――リアルな野球ファンと議論を交わした
「ファンは野球が好き、という前提で(試合を見ながら)『なんであれを打つんだよ』って思うんです。僕は現場の人間だから(振ってしまう選手の)その気持ちがわかる。ファンは僕らと違う目で見ているから、その違いを知ることができて面白いなって思います。ただ言われると、ぐさっとくるときもあります(笑)。けど、みなさんそれくらい野球が好きなんですよね」

――グループ観戦機能のいいところは
「こうやって会話をして、野球を見るのは面白いと思いますよ。ファンにはそれぞれ考えがあるじゃないですか。それが聞けて、こういう考えの人達がいるんだなって勉強になりました。だからすごく面白かったです。最初は不安でしたけど、始まったら(参加者が)どんどん話してくれたから、僕も話しやすかったです。みんな違う感覚で来てくれたから、ありがたかったです」(「パ・リーグ インサイト」菊地綾子)

(記事提供:パ・リーグ インサイト)

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