2年ぶりのオールスターゲーム、今年はどんなドラマが? 過去5年間の名場面を振り返る

メットライフドーム【撮影:パ・リーグ インサイト編集部】

19歳の森友哉が大活躍した2015年

「マイナビオールスターゲーム2021」が7月16日、17日に開催される。2020年の球宴は新型コロナウイルスの影響で中止となったため、2年ぶりの夢の競演だ。一流選手たちの交流、手に汗握る直球勝負などが醍醐味として挙げられるが、印象に残っているシーンはあるだろうか。過去5年間の名場面を振り返ってみよう。

<マツダオールスターゲーム2015>
【第1戦】 7月17日 東京ドーム
○セ 8-6 パ●
【第2戦】7月18日 MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島
○セ 8-3 パ●

第1戦はセがシーソーゲームを制し、第2戦も広島勢の活躍で勝利。パでともに印象的な活躍を見せたのは、当時19歳だった森友哉捕手(西武)だ。

第1戦では、藤浪晋太郎投手(阪神)との大阪桐蔭バッテリー対決が実現。森は先輩の直球をフルスイングし、東京ドームの天井に当てた。そして第2戦、代打で出場した森はセに一矢報いる2ランを放つ。球宴での10代選手のホームランはOBの清原和博氏以来史上2人目の快挙だった。

栗山巧の待望の一発&「大谷の日」だった2016年

<マツダオールスターゲーム2016>
【第1戦】7月15日 ヤフオク!ドーム
●パ 4-5 セ○
【第2戦】7月16日 横浜スタジアム
セ 5-5 パ

第1戦はベテラン陣が魅せた。パ先発・和田毅投手(ソフトバンク)は、セ先発・菅野智之投手(巨人)とともに快投を披露し、試合は早いペースで進む。結果的にパは接戦に敗れるも、15年目にして球宴初出場を果たした栗山巧外野手(西武)が最終回、中崎翔太投手(広島)から初打席初ホームラン。いぶし銀の一発にパファンは大いに沸いた。

第2戦は引き分け。DH出場した大谷翔平投手(日本ハム・現エンゼルス)がホームランを含む2安打3打点でMVPに輝いた。なお、大谷は前日のホームランダービーでも優勝。さらにこの年は本来、投手として球宴に選出されており(ケガのため野手に変更)シーズンでは10勝&22本塁打の驚異的な活躍で、チームを日本一に導いている。現在アメリカを席巻する「オオタニサン」の日本時代の凄まじさが凝縮した球宴だった。

ZOZOマリンでパ・リーグがひとつになった2017年

<マイナビオールスターゲーム2017>
【第1戦】7月14日 ナゴヤドーム
●セ 2-6 パ○
【第2戦】7月15日 ZOZOマリンスタジアム
○パ 3-1 セ●

第1戦で、パは地元・愛知県出身の千賀滉大投手(ソフトバンク)が先発し、秋山翔吾外野手(西武・現レッズ)の先頭打者弾などで快勝する。第2戦も制してパの連勝となったが、ZOZOマリンスタジアムで行われた一戦は、印象深い出来事が多かった。

まず、セは小林誠司捕手(巨人)の完璧な先制ホームランで大盛り上がり。巨人の高橋由伸監督(当時)が、ベンチ前で小林の頭をはたくシーンが話題となった。

また4回、前年までロッテでプレーし、ソフトバンクに移籍したデスパイネ外野手が登場すると、ファンがかつての応援歌を合唱。あたたかい歓迎ムードに応え、デスパイネ選手はその打席でバックスクリーン弾を叩き込んだ。鈴木大地内野手(ロッテ・現楽天)も一発を含む2安打1打点と存在感を見せ、最後はパの選手とファンでロッテの勝利パフォーマンス「We Are」。球団の垣根を越え、パがひとつになった瞬間だった。

熊本で「獅子」大暴れの2018年

<マイナビオールスターゲーム2018>
【第1戦】7月13日 京セラドーム
○パ 7-6 セ●
【第2戦】7月14日 リブワーク藤崎台球場(熊本)
●セ 1-5 パ○

パが2年連続で連勝したが、2試合とも、西武勢の独壇場だったと言っていいだろう。まず第1戦で、セは12年ぶり球宴出場の松坂大輔投手(中日・現西武)、パは菊池雄星投手(西武・現マリナーズ)が先発し、ライオンズの新旧エース対決が実現する。そしてかつての大エースに対して、秋山が球宴史上初となる2年連続の初回先頭打者弾を放つと、森も3ランで続くなど「獅子おどし打線」が初回から爆発。

6回には山川穂高内野手(西武)にタイムリーが出て、MVPには2安打3打点の活躍を見せた森が輝いた。また、熊本地震復興支援として初めて熊本で行われた第2戦でも、攻守で持ち味を生かした九州出身の源田壮亮内野手(西武)がMVPに。この年パ王者となるチームとして、さすがの強さを見せつけた。

オリックスの若き大砲に魅了される2019年

<マイナビオールスターゲーム2019>
【第1戦】7月12日 東京ドーム
●セ 3-6 パ○
【第2戦】7月13日 甲子園
○セ 11-3 パ●

初日、2分間で何発アーチをかけられるかというルールで行われたホームランダービーでは、吉田正尚外野手(オリックス)が魅せた。坂本勇人内野手(巨人)の記録である3本以上を打てば翌日の決勝進出という状況で、わずか30秒で勝負あり。決勝では鈴木誠也外野手(広島)に敗れたが、ホームランアーティストらしくファンを魅了した。

そしてパが勝利した第1戦では、またも西武勢、特に森がやってくれた。全球ストレート勝負を貫き、パを圧倒していた大瀬良大地投手(広島)から2回、先制2ラン。捕手として盗塁も阻止し、2年連続のMVPに選出された。なおセが勝利し、連敗を5で止めた第2戦では、本拠地開催の阪神勢が活躍。近本光司外野手(阪神)が新人初となる先頭打者弾に加え、1992年の古田敦也氏(ヤクルト)以来史上2人目となる球宴でのサイクル安打と大暴れした。

今回の「マイナビオールスターゲーム2021」は、第1戦がメットライフドーム、第2戦が楽天生命パーク宮城で開催される予定だ。森選手を筆頭に、ここまで名前の挙がった西武勢のほか、初選出の選手も多数出場する。試合が行われるのも、それを観戦できるのも、決して当たり前ではないことを、日々思い知らされながら迎える特別な2日間。これまでの球宴を超える名場面は生まれるだろうか。「パ・リーグ インサイト」馬塲呉葉

(記事提供:パ・リーグ インサイト)

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