【MLB】本塁打王へ突き進む大谷翔平、出遅れた秋山、出直しの筒香…日本人打者の前半戦を総括

レッズ・秋山翔吾、エンゼルス・大谷翔平、ドジャース・筒香嘉智(左から)【写真:Getty Images】

大谷翔平は本塁打数&長打率でメジャートップ、OPSは2位&打点は3位

2021年のメジャーリーグは、エンゼルス大谷翔平投手フィーバーに沸いたオールスターゲームが終了。15日(日本時間16日)のヤンキース対レッドソックスは延期となったがプレーオフ、タイトルをかけた後半戦がスタートする。ここでは大谷を始め、ドジャース傘下3A筒香嘉智外野手、レッズ秋山翔吾外野手の日本人野手3人の前半戦を振り返る。

〇大谷翔平(エンゼルス)
打率.279(301打数84安打)、33本塁打、70打点、12盗塁、出塁率.364、長打率.698、OPS1.062

本塁打はブラディミール・ゲレーロJr.(ブルージェイズ)に5本差をつけてトップ。長打率もトップで、OPSは2位、70打点はリーグ3位と凄まじい数字を残している。昨年は打率.190、7本塁打と不振に終わったが、今季は開幕前から絶好調。オープン戦で打率.548(31打数17安打)、5本塁打と打ちまくり、万全の状態でメジャー4年目を迎えた。

開幕から「2番・DH」でスタメンに名を連ね、2戦目のホワイトソックス戦で今季初アーチを放った。4月4日(同5日)の同カードでは「2番・投手」で渡米後初の投打同時出場を果たすと、第1打席で2号ソロ。ファンの度肝を抜いた。9日(同10日)のブルージェイズ戦では、日本人最速の通算50号となる3号。21日(同22日)のレンジャーズ戦で日米通算100号となる5号をマークした。

6号弾を放った24日(同25日)のアストロズ戦では、途中からメジャー初となる外野(左翼)の守備に就いた。翌25日(同26日)の同カードで早くも昨季と並ぶ7号弾。4月の成績は打率.283(92打数26安打)、8本塁打だった。

5月も進撃は止まらず、6日(同7日)のレイズ戦で日本人最速の2桁弾となる10号。14日(同15日)のレッドソックス戦ではグリーンモンスターを超える11号、16日(同17日)の同カードで9回に逆転の12号を放つと、17日(同18日)、18日(同19日)のインディアンス戦でもスタンドに放り込み3年ぶりの3試合連続弾。5月は打率.245(94打数23安打)、7本塁打で終えた。

6月は松井秀喜に並ぶ月間13アーチ、シーズンHRは既に日本勢最多

6月はさらに凄かった。5日(同6日)のマリナーズ戦で、花巻東高の先輩・菊池雄星から133メートルの特大16号。8日(同9日)のロイヤルズ戦では自己最長143メートルの17号をマークした。15日(同16日)のアスレチックス戦では前半戦日本人最多の18号を放った。

日本選手で初めてオールスターのホームランダービーに出場することを表明した18日(同19日)には、タイガース戦で2年ぶりの1試合2本塁打(20&21号)。19日の同カードで自己最多に並ぶ22号、20日の同カードで23号と打ちまくり、3年ぶりの週間MVPを受賞した。

さらに「1番・DH」で出場した25日(同26日)のレイズ戦では初の先頭打者アーチ(24号)。27日(同28日)の同カードで月間自己最多の10発目となる25号、28日(同29日)のヤンキース戦では本塁打では自己最速となる打球速度117.2マイル(約189キロ)の26号、29日(同30日)の同カードでは2本塁打(27&28号)を放った。6月の月間打率は.309(81打数25安打)、月間13本塁打は2007年7月の松井秀喜氏に並び日本人最多だった。

7月も勢いは止まらない。1日(同2日)にオールスターゲームの先発出場野手を決めるファン投票の最終結果が発表され、ア・リーグ指名打者部門で得票率63%で1位を獲得。自身初の月間MVP(6月)受賞が発表された2日(同3日)のオリオールズ戦では2打席連続本塁打を放って30号に到達した。4日(同5日)の同カードで、2004年の松井秀喜に並ぶ日本選手最多の年間31号に並び、今季2度目の週間MVPを受賞した。

そして、7日(同8日)のレッドソックス戦で松井秀喜を超えるシーズン32号をマーク。9日(同10日)のマリナーズ戦で141メートルの特大33号を放った。外国人選手による球宴前の33本塁打は、通算609本塁打のサミー・ソーサに並んで歴代トップだという。7月の月間成績はここまで打率.294(34打数10安打)5本塁打。チーム89試合消化で33本塁打は年間60発ペース。後半戦はアーチを何本かけるだろうか。

ド軍移籍の筒香はマイナーでプレー、秋山は怪我で出遅れ

〇筒香嘉智(ドジャース傘下3A) ※日本時間15日時点

レイズ成績:打率.167(78打数13安打)、0本塁打、5打点
ドジャース成績:打率.120(25打数3安打)、0本塁打。2打点
ドジャース傘下3A成績:打率.147(75打数11安打)、4本塁打、10打点

昨季はレイズで51試合に出場し、打率.197(157打数31安打)、8本塁打、24打点と不本意な成績に終わった。捲土重来を期したメジャー2年目の今季も開幕から低空飛行が続いた。4月の成績は打率.175(63打数11安打)0本塁打、5打点。新型コロナワクチン接種の副反応による体調不良のため4月29日(日本時間30日)の試合を欠場する不運もあった。

5月5日(同6日)のエンゼルス戦では投手・大谷とメジャーで初対戦したが、1打数無安打1四球という結果に。そしてレイズは11日(同12日)に筒香をメジャー出場の前提となるロースター40人枠から外す手続きを取った。

古巣DeNAの球団社長が“ラブコール”を送るなど去就が注目される中、15日(同16日)にドジャースへの移籍が決定。18日(同19日)のダイヤモンドバックス戦で新天地デビューするも2打数無安打、翌19日(同20日)の同カードで移籍後初安打を放ったが、状態は上向かなかった。

6月9日(同10日)に右ふくらはぎ痛で負傷者リスト(IL)入り。傘下3Aオクラホマシティで調整を続けたが、今月8日にメジャー出場の前提となる40人枠ロースターから外れた。今後もオクラホマシティでプレーし、メジャー再昇格を目指してアピールを続けていく。

〇秋山翔吾(レッズ)
打率.221(86打数19安打)、0本塁打、7打点、2盗塁、出塁率.287

昨季は54試合出場で打率.245(155打数38安打)、0本塁打、9打点、7盗塁、出塁率.357。ブレークが期待された2年目の今季は、夫人が事故に遭ったためチームへの合流が遅れた。3月13日(同14日)、アスレチックスとのオープン戦で左太もも裏を痛めて離脱、負傷者リスト(IL)入りして開幕を迎えることになった。

5月7日(同8日)のインディアンス戦で戦列復帰。13日(同14日)のロッキーズ戦で今季11打席目で初安打をマークした。その後は同16日(同17日)の同カードでメジャー初の3安打をマークするなど、スタメン機会は少ないながら存在感を示している。デビッド・ベル監督には守備力を高く評価されており、打撃をさらにアピールして定位置をつかみたい。(Full-Count編集部)

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