追い込まれた善人の行動が大爆破に? 財産を奪い返す庶民描く 「明日に向かって笑え!」本編冒頭映像

8月6日より劇場公開される、2001年のアルゼンチン金融危機を背景に、銀行と弁護士にだまし取られた財産を奪い返す庶民を描いた映画「明日に向かって笑え!」から、冒頭の本編映像が公開された。

公開された冒頭本編映像では、夜の暗闇の中で大雨と雷をものともせず、何かを待つ主人公たちの姿が映し出される。そして、「辞書によれば“バカ”とは頭の回転が鈍くて、愚かでマヌケな人間のこと。“働き者”はルールを守る正直な善人でありながらバカ扱いされる。だが その不当な扱いが一線を越えると追い込まれた善人は叫ぶ。“もうウンザリだ”。そして自分でも驚くほど大胆な行動に出る」と、主人公フェルミンのナレーションがかぶさり、「美しき青きドナウ」が流れる中で大爆破が行われる。

映像の時は戻り、主人公のフェルミンと妻リディアが、古い友人のアントニオに、寂れた町の施設を買い取り、地元の農家が安心して穀物の管理を任せられる農業協同組合を作るという計画を、意気揚々と説明する。「この不景気にうまくいくと思うか?」といぶかしがるアントニオに、「もちろん!」と声をそろえるフェルミンとリディア。だが、アルゼンチンの債務不履行(デフォルト)は目前に迫っているのだった。

また、セバスティアン・ボレンステイン監督の日本公開に向けたメッセージも公開された。原作者の作家エドゥアルド・サチェリとともに脚本も担当したボレンステイン監督は、「日本の劇場にて公開されることをとても嬉しく思っています。みなさん、ありがとう!ひとりでも多くの方が、今の難しい時代に映画館でこの作品をみて、“アルゼンチン”という国を知ってもらって、少しでも明るい気持ちになってくれると嬉しいと思います。そして、もし気に入ってくれて、楽しかったら、その楽しさを伝えていってくれれば嬉しいです」とメッセージを寄せている。

「明日に向かって笑え!」は、隣人との温かなつながりが残るアルゼンチンの小さな田舎町を舞台に、なけなしの貯金を奪われた町民たちが、奪われた財産を奪還するために奇想天外なリベンジ作戦に乗り出す姿を描いた作品。原作・脚本は、アカデミー外国語映画賞を受賞した「瞳の奥の秘密」の脚本を担当したエドゥアルド・サチェリ。「瞳の奥の秘密」で主演したリカルド・ダリンが、主人公のフェルミンを演じている。ゴヤ賞最優秀スペイン語外国映画賞など多くの映画賞に輝き、アルゼンチン版“オーシャンズ11”の評価を受けているという。

【作品情報】
明日に向かって笑え!
2021年8月6日(金)ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテ他全国順次公開
配給:ギャガ
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